えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

要介護認定

6月に要介護認定の調査を受け、その結果が届いた。今回が4回目の更新で、前回と同じ要介護4だった。

 

初めて要介護認定調査を受けたのは回復期リハビリ病院に入院中だった。

当時、夫より半月ほど前に同じ疾患で入院していた同室の男性が私の目には夫と同レベルの後遺症を抱えていたように見えた。そして、夫より半月ほど前に要介護認定調査を受け要介護5と認定された。他にも周りに同じような状態で要介護5と認定された人もいた。

 

その方の半月後、夫も要介護認定調査を受けた。当時、調査員の方と話をしたとは思うのだけれど、どんな調査だったのか全く記憶がない。

 

当時の夫は洗面は介助が必要。更衣は全介助。尿意はなく、日中はリハビリでトイレに行っていたけれどおむつでの排泄だった。ベッドからの起き上がりも、立位の保持も歩行も介助なしではできず車いすでの生活。食事は見守りで良かったとはいえ、小さく切る、あるいは魚は骨を取るなどの介助は必要だった。入浴もできず、病院でも介助でシャワー浴だけだった。認知面でも認知症とは違うけれど後遺症のため理解力はかなり落ちていた。こうして日常生活行動のほとんどが全介助、あるいは一部介助というそんな状態だったので、当時の厚労省のホームページや他のサイトで介護認定基準について調べてみると、夫の場合はおそらく要介護4だろうと思っていた。

ところが夫の認定結果は要介護3だった。同室者だった方とか、私が同レベルの介護度と感じた人と何が違ったのかは未だによくわからないでいる。

 

介護度に対する気持ちはいつだってとても複雑だ。

介護度が低いということは本来は良いことだと思う。でも、介護度によって受けられるサービスの量が変わってくる。要介護3と4では市から受けられる補助にも違いがある。まあ、デイケアは介護度が高いほど利用料金が上がるので実際はどちらが負担が少ないかはよくわからない。それに夫の場合、要介護3の時も現在も限度額よりかなり少なく介護サービスを利用しているのでどちらでもいいようなものだけれど。

 

夫は回復期リハビリ病院を退院してから尿意を感じるようになった。日中も夜間もトイレ介助が必要なことには変わりはないけれど。認知面も多少は上がったように感じる。

にもかかわらず、2回目も3回目も今回も要介護4の評価だった。まあ、私としてはこれが正しく評価してもらえた結果だと思っているけれど。

 

今回、認定調査を受けてから評価結果が届くまで正直ちょっと心配だった。例え要介護3だったとしても現在受けているサービスを減す必要はないのだけれど。

それでも、今回も評価が自分自身納得できる結果だったのでちょっと安心している。

先の楽しみ

先週、地元の美術館に行った時「ジャコメッティ展」のパンフレットを見つけた。

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夫はともかく、私は彫刻のことに詳しいわけではないけれど、それでも彫刻を見るのは好きだ。その中でもジャコメッティは好きな彫刻家の一人なのだ。

パンフレットを見ながら「国立新美術館じゃあ行けないなあ・・・」 とちょっと残念に思いながら、いつも過ごす部屋の片隅にパンフレットを張り、日々眺めていた。

 

今日、Eテレ日曜美術館」のアートシーンでそのジャコメッティ展を紹介していた。「やっぱりいいよな・・・」と、夢中で観ていると、国立新美術館の後、豊田市美術館に巡回するとの字幕がでた。

「うわあ、うわあ、うわ~!! ジャコメッティ豊田市美術館に来るんだって~」と、テレビの前にいなかった夫に叫んでいた。

 そして、夫に「観に行かない?」と言ってみると、にこっと笑い、大きく頷いた。

 

豊田市美術館には今までにも何度か行ったことがある。我家からだと東名を使えば1時間ちょっとのところだし、一般道でも1時間半弱で着くと思う。車いすの夫と出かけるにしても2時間ぐらい見ておけば大丈夫だ。

 会期は東京が9月4日まで。豊田市美術館は10月14日から12月24日まで。まだまだ先のことだけれど、絶対に行きたいと思っている。

 

20年ぐらい前に「何だかジャコメッティみたいでいいよね」と言いながらどこかの雑貨屋さんで買ったモノ。

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私たちのお気に入りの一つ。削ぎ落した姿、いいよね。

 

こちらは2006年の雑誌。

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雑誌といえどもこういうものは何度も眺めては楽しめるからいくら古くなっても処分できないでいる。こうしてまた読み返し、豊田市美術館へ行くまでの3か月間はきっと何度も見ては楽しむと思うから。

この1週間

このところ、クーラーのせいなのか、夜中に2度・3度とトイレ介助で起きるせいなのか、夫が寝てしまうとそれからやるつもりだったことも一気にやる気が失せ、ブログも書けないでいた。かといって、寝てしまうのはもったいなくて寝ることもせず、録画番組を見ながらだらだらと過ごしている。寝てしまえば体はきっと楽になると思うのだけれど。

 

毎日、ハンコで押したような変わりばえのない日々を送っているような気がするけれど、それでもこの1週間を振り返ってみるとそれなりにいろんなことがあった。

 

先週の土曜日は雨の予報だったけれど晴れていた。

3年前から水彩画を始めた兄嫁さんが出品しているグループの展覧会が美術館で開催中だったので夫と一緒に観に行った。

天気予報では先週の後半は雨ばかりだったので私は水曜日に一人で先に観に行っておいたけれど、夫が楽しみにしているのが分かっていたのでもう一度行ったのだ。

美術館では兄嫁さんたちのグループだけではなく、他の絵画グループや写真のグループ、アウトサイダーアートの展示もあり、全室見て回った。

そのあと、美術館内のレストランで早めのランチを食べた。美術館内のレストランなら安心して食事ができると夫は学習済み。ランチを食べ終え帰ろうとすると夫がにこっと笑ってお茶を飲むジェスチャーをした。そこでお茶を飲むジェスチャーをするということは美術館がある豊橋公園内の三の丸会館でお抹茶を飲んでいこうということだ。時間は12時少し過ぎ。食べてすぐだけれど、その時間ならこちらもゆっくりお抹茶を楽しむことができると思い久しぶりに行ってみた。

三の丸会館は私と夫の二人だけ。静寂の中、窓から見える山並みと豊川(とよがわ)を眺めながらお抹茶をいただき、ささやかな非日常を味わった。

 

日曜日はちょっと気分沈むようなことがあったけれど、月曜日は夫がデイケアに出かけた後1時間の草取りを終え、一人で喫茶店のギャラリーへ「着物地で作るバックと小物展」を見に行った。帰ろうと車に戻ると、友人からランチと買い物に付き合ってほしいと誘いの電話が入った。もちろん、他に用事があるわけではないのでOKと返事し、ランチといつものスーパーのほかにも豊川稲荷(隣の市)の門前まで買い物に付き合った。

 

火曜日は訪問リハビリがあっただけで通常と何も変わらない1日を過ごした。

水曜日は夫はデイケア。雨は降らなかったので、私は午前中は草取りに精を出し、夕方は夫を迎えに行き、隣接する整形外科を受診した。

夫は麻痺側に金属支柱の短下肢装具を装着しているけれど、その皮のベルト部分が破れてきたための受診だ。今の装具を作って4年以上たつ。3年以上経てば補助が得られるので新しい装具を作ってもらうことにした。

 

木曜日も夫はデイケア。私は午前中びっしりと庭仕事をした。あと2日ぐらい草取りをすればかなりきれいになりそうなのでちょっとうれしくなった。

 

昨日の金曜日は訪問リハビリがあったけれど、あとは何もない1日だった。いや、ちょっと落ち込むことがあったにはあった。日曜日と同じで書けないことだけれど。

 

今日は朝から大洗濯をし、それだけで疲れてしまった。

夕方になって、図書館で予約していた本が近くの市民館に届いたとメールが入った。普段は夫がいる時には滅多に外出しないけれど、明日も夫はいるし、月曜日は市民館がお休み、火曜日も夫はいる、水曜日はふれあい音楽会に行く予定だし、木曜日まで待たなければならない。

予約した本は1月22日に予約したものだ。もう半年も待ったのだから木曜日まで待てないことはない。1週間以内に借りればいいことになっているし。でも、読みたい。市民館までは車ならたぶん5分ぐらいの距離だ。で、「行って来てもいい?」と夫に聞いてみた。夫は頷いてくれたのでトイレ介助を済ませてから借りに行ってきた。読み始めたら一気に読みたくなってしまったけれど、いつものように中断を余儀なくされる。まあ、これも仕方がないことだと思いなら読んでいる。

 

大したことはない1週間だったけれど、来週はどんな1週間になるだろう。

もう少し何かができるといいのだけれど。何かってなあにってね。

収穫のよろこび

今日の収穫。

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キュウリ1本、ナス3本、トマト2個。オクラは分かりにくいけど7本ある。細いアスパラは1本だけ。ピーマンはたくさんなっているけれど、しし唐を少し膨らませたぐらいの太さなので、何だか太くならないような気もしてくるけれど収穫するのはもう少ししてからの予定。

 

アスパラを植えたのは夫が元気だった頃なので、もう株が古くて良いアスパラができない。1本だけではどうしようかと思うけれどほかの野菜と一緒に茹でて食べる予定。ここ数年、新しい苗を植えようと思いながらもまだ植えられずにいる。

 

オクラとトマトは今日の夕食で食べてしまったけれど、ナスは明日のうちにはすべて食卓に上る予定。キュウリも明日サラダか酢の物にして食べる予定。夫は酢の物にした方が喜びそうな気がするから酢の物にしようかと思う。

 

少ししか植えてないので収穫も少ししかないけれど、自分で作った野菜の味は格別だ。何にしてもおいしい。夫も庭で採れた野菜だというとにこにこして食べてくれる。

夏野菜は作るより買った方が手間もかからないし安いと思う。だけど、収穫するとうれしいし、喜んでくれると思うだけで私も幸せな気分になれるのだから、安上がりな楽しみだ。

昨日のこと

昨日も夫がデイケアに出かけた後、1時間ぐらい東側の庭の草取りをした。

東側の庭には私しか行くことはなく、その私もたまにしか足を踏み入れない。

だから、草だけではなく花もぐちゃぐちゃになっていて余計に行きたくないのだ。

 

でも、たまに行くとうれしくなることもある。

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昨日はギボウシが咲いているのを見つけたらうれしくなって俄然やる気がわいてきた。

何と単純なことでしょう。いつまでも見ていられるほどの優しい色だ。

 

今年は夏野菜の成績が悪いと思っていたら、オクラがいっぱいなっていた。

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早速、夕食の一品に。「庭で採れたオクラだよ」と言うだけで、夫の箸は進むのだ。

もちろん、私の箸だって。

 

午後からは予定していたことがキャンセルになり、久しぶりにゴロゴロして英気を養った。

 

夕方、ご近所の小母さんの家で採れたプラムを娘さんが届けてくれた。

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毎年下さる小母さんちのプラムはとっても甘くておいしい。こちらも早速夕食後のデザートでいただいた。

 

娘さんが帰られるとすぐに、小母さんから電話があった。

お礼を言うと「娘にヤマモモの実も持って行ってもらおうと思ったら急いでいるからと慌てて行ってしまったの。私が持って行ってあげてもいいんだけどあなたの方が早いからもらいに来てくれない」と。

 

私が小学生だったころ、おやつと言えば蒸かしたサツマイモぐらいだった。だからと言うわけではないけれど、そのころは道端や空き地に生えているバライチゴやキイチゴやよそのお宅の庭から出ているグミの実を取ったり、ヤマモモの木には登って実を取り食べたものだ。近くの神社に落ちていた椎の実を拾って炒って食べたこともある。私は食べたことはないけれど、夫の友人はホソバ(槙)の実まで食べたという。 だけど、どれもおいしかったという記憶はない。

 

ヤマモモの実と聞いた時、昔の記憶が蘇ってきた。食べたいという気持ちではなかったけれど、小母さんがせっかく言ってくださっているその気持ちをいただきに、ちょうど夫のトイレ介助を済ませたばかりだったので行ってきた。

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夫に「食べる?」と聞くと頷いた。私は一つで十分だけれど、夫には数個洗い、昔の味を懐かしんでもらった。これも刺激になると思いながら。

 

残りはジュースを作ろうか、それともヤマモモ酒にしようかと迷ったけれど、たまたま果実酒用の焼酎が残っていたので焼酎に漬けた。

これは一晩経った今日の画像。

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 数か月経てば飲めるようになる。梅酒もアロエ酒も瓶に入ったままなかなか飲めないけれど、できたら寝る前にでも飲んでみよう。ぐっすり眠れることを期待して。

夫の誕生日

今日は夫の誕生日だ。

誕生日と言っても普段と何かが変わるわけではなく、夫はいつものようにデイケアに出かけ、私は月2回の楽しみである「ふれあい音楽会」に行ってきた。

 

夫は61歳3か月の時、脳出血で倒れた。これから二人で楽しめるようになるという矢先の出来事だった。それからもうすぐ7年になる。お互いに不自由にはなってしまったけれど、それでもここまで生かせてもらえているということはやっぱりありがたいことだと思う。あの時、命まで奪われていたら、夫はどう思っているかわからないけれど、私はこの7年間とても寂しい思いをしただろうから。

 

そう思うと、今日は感謝の気持ちを込めて誕生日祝いだ。

とはいえ、プレゼントをするわけではなく、私自身の横着を兼ね、夕食は特上のおすしにした。いつもは質素倹約で通しているのだから少しばかりの贅沢をしても罰は当たらないだろう。夫が倒れてからお酒を飲むこともなくなってしまったけれど、今日は何だかアルコールが飲みたい気分でビールまで買ってきた。

結局、夫はお酒はいらないというのでお茶とビールで乾杯だ。

少しでもADLが向上しますように、今の生活が維持できますようにと願いながら。

草取りの後は気持ちがいい

夫がデイケアに行く月・水・木曜日は特別なことがない限り草取りをしている。

以前は近くの幼稚園で昼のチャイムが鳴るまで夢中で3時間ぐらいぶっ通しやってしまうこともしばしばだった。だけど、寄る年波には勝てず、あとで疲れが出るようになってきたので最近ではタイマーをセットし、どんなにもっとやっておきたいと思っても1時間でやめるようにしている。

 

我家は土の部分がたくさんあり、取っても取ってもきれいになったと思えるところまでいかない。きれいに取ったと思っても他のところを取っている間にまた草は生え、まるでいたちごっこだ。

 

我家の土地の部分は南側の庭と駐車場まで行く間の北側の庭と東側の3か所に分かれている。一番広い北側の庭は畑にしてあり、今は夏野菜が植えてある。次に広いところは東側で椿の木や小菊、そして野菜は茗荷とカボチャが植えてある。東より少し狭い南には少しの木々と野菜はトマトが植えてある。

 

北側の畑にしてある部分は野菜に水やりするたびに気になり、この間きれいにした。東側はかなりひどい状態になっていて気になって仕方がないけれど、私以外の人が行くことはないので目を瞑っている。南側は昼間過ごす部屋から見えるところなので一番気になる。

 

今日は曇り空。そして、昨日の雨で地面は濡れている。今週の水曜日はふれあい音楽会の日なので今日は誰とも約束をしていない。ということで、今日はまさに私にとっては草取り日和だ。

 

夫がデイケアに出かけるとすぐに草取りを始めた。南側から始め、時間があれば東側もやる予定で。濡れた地面からは面白いように根っこまできれいに抜ける。夢中でやっていると1時間でセットしたタイマーが鳴る。いつもはそれでやめるのだけれど、今日は30分追加し、また鳴ると30分追加して2時間も草取りをした。そのあと野菜に追肥をしたりして結局2時間半ぐらい庭にいた。 

 

ちょっとだけきれいになった南側の庭。写真はないけど東側も少しだけ取れた。

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写真では狭く見えるけれど、窓の下から正面の生垣まで20メートルぐらいはある。

まだ、生垣の下の辺りの草は残っているけど、これぐらいならば窓から眺めても気にならない程度。ああ、気持ちがいい。