えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

絵が描きたくなりますように・・・

たまたま観ていたテレビや、たまたま聞いていたラジオから 、思わぬ力をもらったり、すごく感動することがあるのですよね。

今日はそんな話から・・・

昨日、たまたま「NHKのほっとイブニング」と言う番組を観ていたのです。

この番組は、東海地方のニュースやホットな話題を放送するという、夕方のローカルニュースワイド番組なのです。

その番組内で、生まれつき脳性マヒで手足に障害がある中村くに子さんという方を特集していました。

中村さんは鉛筆や色鉛筆を使ってお地蔵さんの絵を描いていて、初めて個展を開いたそうなのです。

中村さんがお地蔵さんの絵を描いている様子や、個展の準備、開催の様子などが放送されていたのですが、その様子がすごく感動的だったのですよね。

マヒしている手で鉛筆を挟み、それを足の指に挟みなおして描いていたんだけど、鉛筆を持つまでに5分ぐらい時間がかかってしまうそうです。

だから、1枚の絵を仕上げるとぐったりしてしまうとか・・・

だけど、リハビリにもなるし、お地蔵さんを描いていると、なにより心が落ち着くからと・・・

とにかく「体が動く限り描き続けたい・・・」と言っていました。

そして、描きあがったお地蔵さんの表情は、中村さんが穏やかな心の時には穏やかな表情に、悲しい時には悲しい表情になるそうです。

でもね、どの絵もすごく優しい表情だったのですよ。

 

その時、一緒に観ていた夫の反応は・・・

普段、発語もあんまりないんだけど「お~!! お~!!・・・」って、声を出して観ていたのです。

えむこには「すごいな~。」って、言ってるように聞こえ、感動している様子が伝わってきたのです。

だから、夫に「あなたは左手が使えるんだから、また絵を描けばいいのに・・・」って言ってみたの。そうしたら、「うん。」って、首を縦に振ったのですよ。

でも、描かないけどね・・・

 

中日新聞にも中村さんの記事が載ってたみたいなので、貼り付けてみました。

http://iryou.chunichi.co.jp/article/detail/20120831150928169

 

夫は病気になる前は、絵を観るのも、描くのも大好きな人でね。しょっちゅう描いていたのです。

まあ、はがき絵や絵手紙ぐらいで、4号ぐらいまでの絵しか描かなかったけど・・・

でも、右半身マヒになってからは、左手が使えても絵を描こうとはしなくなってしまったのです。

えむこは夫の絵が大好きでね。

夫が絵を描いていると、それを見ているだけでも幸せな気分になっていたのです。

そして、夫が描いたハガキ絵を使って、友人たちに絵手紙を出すのもえむこの楽しみでした。

だから早く、夫に「絵が描きたい・・・」と思えるようになって欲しいと願っているのです。

 

以前、夫が描いた絵手紙と、数か月前にデイケアで描いた絵手紙をアップしてみました。

その1.あけび            

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その2.秋の気配(市電)

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その3.ホトトギス

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その4.干物

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最後の干物の絵が右半身まひになってから、左手で描いた絵です。

この絵をデイケアから持ち帰った時、えむこはすごく嬉しかったのですよね。

焦ってはいけないけれど、えむこだけではなく、夫の友人やえむこの友人も、みんなで夫が絵を描く日を待ってるんだけどね・・・