えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

二十歳のころ

明日が成人の日だけど、えむこの住む市では今日が成人式だったらしい。

「らしい」というのは 、晴れ着を着た人たちを見ることもなく、周りに二十歳の人もいないから、広報を見て「そうなんだ・・・」と思うだけだからね。

昔、えむこが病棟勤務だった頃には、晴れ着を来た新成人がその姿を入院中の家族に見せようと、毎年1人や2人は必ず来ていたから「今日は成人式なんだ」って思ったものだけど・・・

 

えむこは成人の日になると、いつも本箱から一冊の本を取り出して眺めているのです。

それは立花隆+東京大学教養学部立花隆ゼミの「二十歳のころ」という本。

二十歳のころ―立花ゼミ『調べて書く』共同製作

二十歳のころ―立花ゼミ『調べて書く』共同製作

多分、買ったのは1999年だったと思います。その本は1998年12月25日発行で、すぐに買った記憶があるのでね。

 

えむこがその本のことを知ったのはテレビでのこと。

もう14年も前のことなので、どこの局だったのかも(多分、NHKだったと思う )、内容もはっきりと覚えてないけど、立花隆さんが出演していて、東大での「調べて書く」という立花ゼミ のことを取り上げていたと思います。

 

ここからは引用が入ります。

立花隆さんはその頃、「調べて書く」というゼミを開講していました。学生たちと何かテーマを決めて、それについて調べて書き、うまくいったら、それを一冊の本にまとめてみようというプロジェクトだそうです。そして、最初に取り上げたのが「二十歳のころ」

いろんな人に、その人の二十歳のころを聞いてみて、人生において「二十歳のころ」が持つ意味をさぐってみようということだそうです。

取材対象とした人は有名無名とりどりで、誰もが知る有名人から、大学の先生、長崎の被爆者、町のホームレスの人、外国の駐日大使、学生の両親と言った人までいて、基本的には参加学生が、自分が会いたいと思う人に会って取材したそうです。

本によると、1996年秋の駒場祭のときにはじまって、数か月おきに小冊子の形で発刊された4冊に手を加えた上、未収録だった原稿を加えてこの一冊にまとめたそうです。
そして、この本には68人の二十歳のころが収録されています。

えむこはかなり読みごたえがある本だと思います。

立花隆さんはこの本の初めにの部分で、「できるだけ多くの二十歳前後の若者に読んでもらいたい」と書いています。

そして、「二十歳前後というのは、どの人にとっても、人生でいちばん大切な時期である。それは、人が自分を発見する時期である。自分の生き方を発見する時期である。それ故こそ、いちばん悩み多い時期でもある。誤りを犯しやすい時期でもある。自分を過大評価したり、過小評価しがちな時期である。人生の選択を迫られながら、選択ができない時期でもある。

本書を読むと、みんなそんな時期として二十歳前後を通りすぎてきたのだということがわかる。そういう時期なしには、どんな人生も成立しないのである。自分の二十歳前後をうまく通過していくために、いろいろな人の二十歳前後を知ることが必要なのである。と。

ホントにその通りだと思います。

えむこがこの本を読んだのは50歳より少し前だったかな・・・

それでも、この本からいろんな人たちの二十歳のころの思いを知り、人生を学んだような気がしました。

 

えむこの二十歳のころは看護学校の2年生。

学生運動が盛んな時期だったけど、えむこはノンポリで、恥ずかしいぐらい何にも考えてなかったような気がします。

成人式にも出席せず・・・

もしも二十歳のころにこの本と出会っていたらどうだったでしょうか・・・

案外、変わらなかったかもしれないけど、もう少し人生を考えていたかもね。

でも、この本は14年経った今も、色あせることなく、いま読み返しても読みごたえがあるいい本だと思います。