えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

1日延ばしに

今日は1日中曇り空で、とっても寒い1日でした。庭に置いてある石臼の水が凍りついたまま、15時過ぎても溶けないぐらいの寒さでした。

今日こそは夫を床屋さんに連れて行ってあげたいと思っていたのに・・・

前回、夫が床屋さんに行ったのは昨年の12月19日のこと。あれから約2か月が経ちます。2ヶ月経つと髪は耳にかかるようになり、気になり始めました。床屋さんに連れて行ってあげたいと思うけれど、このところの寒さと夫のトイレ事情から1日延ばしになっているのです。

今日もあんまり寒いから「私が切ってあげようか?」と言ってみました。電気バリカンも散髪バサミも散髪に必要な道具はみんな揃っているからね。でも、聞くや否や首を大きく横に振って「イヤ」だって意思表示をするのです。

夫が退院したばかりの頃にはえむこが散髪をしていました。その時は初めてだったので、かなり下手くそだったと思います。だから、床屋さんに行けるようになった今では「イヤ」と言われても当然かもしれません。

「それじゃあ、寒くても行くか」と覚悟を決めました。

でも、いつもだったら昼前後に済むトイレは済まないし、昼食後は睡魔に勝てず・・・

それで、結局は行けなかったのです。

お昼寝から目覚めてからでも時間的には行けたのですが「たかがトイレだけれど、されどトイレ」なのですよね。

えむこは昔から石橋を叩いて、叩いて、壊してしまうぐらい叩いて渡れない性格なので、トイレが済んでないと行った先で困るからと思い、出かけられないのです。もちろん、トイレがある所に出かけるのは大丈夫です。「出るか出ないか分からないのに」と思うけれど・・・

まあ「火曜日で丸々2か月だから我慢の範囲か」と、またまた1日延ばしにしてしまいました。というか、明日はデイケア、火曜日は床屋さんの定休日だから、結局は3日延ばしになってしまうのですが・・・

 

夫がお昼寝中、朝読めなかった新聞を読んでいました。その朝日新聞の投稿欄に偶然にも散髪のことが書いてあったのです。平日は女性の投稿ですが、日曜日は「男のひといき」で、岡崎市の71歳の男性の「妻のぬくもりと散髪」と題した記事でした。

年金生活の出費を少しでも減らそうと、家での散髪を思いついた。嫌がる妻に「文句は絶対に言わない」という条件で・・・・・・散髪セットを通販で買い求め・・・・・・老妻の悪戦苦闘ぶりは大変だった。・・・・・・その出来栄えは、野球場の芝生のごときでムラがあり、裾は左右不ぞろいで散々の出来だった。・・・・・・そして、8年。今では手慣れたもので「うん、うまくいった」と妻の自信に満ちた声が聞かれるようになった。・・・私も満足している。この散髪、経済効果以外に思わぬことをもたらした。頭をなでる妻のぬくもりが、忘れかけていたいとしさを思い起こさせてくれたのだ。・・・・・・

 

この投稿を読んでいたら、すごく暖かい気持ちになりました。それで、夫がお昼寝から目覚めた後、この記事を見せて、再度「私が散髪してあげようか?」と聞いてみました。

返事は、やっぱり首を横に振って「イヤ」だって・・・

えむこも経済的には家で散髪したいと思います。でも、夫の場合は外出するのもリハビリ。人と接することもリハビリ。散髪台に移動するのもリハビリだと思っているわけだから、夫にイヤと言われてもいいのです。ちょっとは傷つくけれど・・・

まあ、えむこがするのを「イヤ」と言うならば、夫は自分の散髪が1日延ばしになるだけだから、我慢できるということなのでしょうね。