えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

刺激と感動を求めて

以前、美容院に行った時、カウンターに絵手紙展のパンフレットが置いてありました。

手に取ってみると「よかったらどうぞ。行けたら行ってね。」と言われ、そのパンフレットをいただいてきました。

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絵手紙は夫が倒れる前には2人の共通の趣味でした。と言っても、えむこは絵が描けないから「夫、描く人。えむこ、使う人。」だったんだけどね。でも、今では鉛筆さえ持とうとしないのです。

夫は元来器用な人だから、左手でも描いているうちには絶対うまく描けるようになると思うのです。でも、今は思うように描けないからイヤになってしまうのでしょうね。

だけど、1人で部屋にいる時には絵の本を眺めたり、以前自分が描いた絵手紙が入れてあるファイルや絵日記帳を取出しては眺めているのです。だから、描きたい気持ちは充分に持っていると思います。現に最近、1枚だけだけど、玉ねぎの絵を描いたから・・・

この絵手紙展、13日(土)・14日(日)の2日しか開催してないのです。それで、パンフレットをもらった時に夫に見せて「一緒に観に行かない?」と誘ってみました。その時には、パンフレットを手に取って眺めていたけれど、首を横に振って「行かない」と意思表示。夫が一緒でなければこの日程ではえむこは行けないので諦めていました。

でも今朝、この絵手紙展のことを紹介しているブログを見て、夫にもそれを見せながら、もう一度、誘ってみました。

そうしたら「行ってもいいよ」と言うように首を縦に振ってくれたのです。

その方のブログにはパンフレット以外の絵や絵手紙もたくさんアップしてあったので興味が湧いたのでしょうね。

というわけで、今日は「稲本由利子絵手紙展」を観に行ってきました。

パンフレットによると稲本さんは5月がくると86歳だそうです。きちんとお化粧をされ、身だしなみを整え、赤い洋服を着て機敏に動いていらした稲本さんはもうすぐ86歳になる方とはとても思えない程若々しく、そしてはつらつとしてみえました。今は絵手紙教室の講師もされていて、一生懸命打ち込むものを持っているからでしょうね。

絵手紙は66歳から始められ、その原点は戦争体験だそうです。パンフレットの絵は戦後60年を記念して平成17年の8月に描いたものとのことで、横190センチ・縦177センチの大作です。

絵手紙は数千点に及んでいて、展示作品は普通のハガキサイズの物は数えられないほどありました。パンフレットぐらいの大作が他にも何点か、もう少し小さいものも数多く展示してあり、見応えも迫力も十分でした。

夫は車いすから自分の健側の足を下し、足こぎしながら作品を観ていました。夫が自分で足こぎする時には自分から観たいと思う時なのです。

相田みつをさんは「感動とは 感じて動くと書くんだなあ」と書いています。

夫は言葉が話せないので、どんなことを感じたのか分からないけれど、こうして絵手紙展を観たり、あちこち出かけることが刺激になって「何かを感じ、一歩でも前に動いてくれればいいな・・・」と思うのです。

 

これは名前を記帳することでプレゼントしてくれた絵はがきです。元気が出てきそうな力強い絵ですよね。 

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