えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

台風は過ぎ去ったけれど

台風18号は各地に深い爪痕を残していった。

昨日の天気予報では「今日の午前中に東海地方を直撃しそう」と言っていた。だから、今朝は起きるからテレビをつけっぱなしにして台風情報を確認していた。

我家の辺りが一番ひどかったのは7時を少し過ぎた頃。浸水こそしなかったけれど、雨どいから飛び散ったように溢れた雨水が玄関の中まで流れ込んできそうな勢いだった。そして、サッシの窓枠からは部屋の中まで濡れてきそう。玄関に置いてある外用の車いすが濡れないように位置を変え、廊下のカーテンを少しだけ開けて、じっと外を眺めていた。

その時間は勤務していた頃の出勤時間。病院勤務の看護師は台風といえども出勤しなければならない。今日は祝日だから、外来での予約診療はない。だけど、救急外来の診療は行っているはず。そして、病棟にはたくさんの患者さんが入院している。

今は出勤するわけではないけれど、外を眺めながら勤めていた頃のことを思い出していた。

通勤途上の道は低いところがあった。大雨が降ると、タイヤの半分ぐらいまで水に浸かることがあり、怖くてたまらなかった。

外来勤務の頃、竜巻が発生して30人近い患者さんが次から次へと救急搬送されたことがあった。風に5mぐらい飛ばされたと言い、雨と泥に塗れて震えていた患者さんたちのことは今でもはっきりと覚えている。

病棟師長の頃には、沖縄に旅行に行っていたスタッフから「飛行機が飛ばないから出勤できません」と電話が入ったこともある。患者さんはいつも満床状態。1人でも出勤できなければ、勤務割り当てと言って、患者さんの受け持ちを変更しなければならない。ギリギリの人数の時は休みのスタッフの中から出勤できる人を探し、勤務調整をする必要もある。患者さんの安全、スタッフの安全のために。

師長当直の時に台風が来ると、各病棟の病室で雨漏りや窓枠から雨が降り込んでいないかと見回り、サッシに新聞紙を挟んだりしていた。

今は、勤務をしているわけではないから、通勤の心配はない。だけど、テレビを観ながら考えても仕方がないことまで考えてしまった。 

 

今日は夫のデイケアの日だったけれど、こんな日は休むことに決めていた。実際は、私が電話を入れる前の7時20分ごろ、デイケアの方から電話が入り、施設自体がお休みになった。

だけど、ここも職員は出勤していた。警察官の人も消防署の人も他にも出勤している人はたくさんいる。そういう人たちには心からご苦労様と言いたい。

 

豊橋付近に上陸したのは8時頃。そのしばらく後は目の中だったのだろう。風も雨も静かだった。8時50分ごろ、また風が出てきたけれど、大したことはなく、昼ごろからは青空が出てきた。

庭に出ると、公園の木や庭の木々の枝が飛び散っていた。ゴーヤの苗も棚が倒れかかっていた。物置の窓は外から打ち付けてあったトタンがはがれ、窓は内側に外れ、ガラスは割れてはいなかったけれど、下に落ちていた。

我家の被害はその程度。この程度の我家でも片付けは必要だ。

だから、テレビを見ていると余計に心が痛んでくる。