えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

年を取るということ

我家の前には公園がある。

そこに、ほぼ毎日、70代か80代ぐらいの男性が手押し車を押してやってくる。

手押し車を押してくるということは、面識はないけれど、ご近所の方だろうと思う。

その方は、公園に着くといつも藤棚の下のベンチに座り、しばらく佇んだ後に帰って行く。散歩だろうか、歩けなくならないようにリハビリだろうかと思いながら、遠巻きに眺めていた。

そこへ、最近はもう一人、私ぐらいの男性も来るようになった。

ちょうど私が洗濯物を干す時間帯と重なるので、聞くとはなしに会話が耳に入ってくる。

名前は知らないのだろうか、年長の方のことを「お父さん」と連呼している。「お父さん兄弟は? 親戚は?」と聞き「お父さんは趣味はないのかね?」とか「お父さん、退屈なら図書館に行くといいよ。本を読んだりすれば時間がつぶせるし、ためにもなるから」と。また「お父さん、何かできることを探してやったら・・・、デイサービスに行くのもいいかもしれないよ」みたいに。

私なら根掘り葉掘り聞かれれば、すぐにベンチから離れるだろう。説教みたいなことを言われれば「大きなお世話・・・」だと思ってしまう。だけど、お父さんと呼ばれるその方は、ベンチから離れることもなく「そうだね」というだけで、時には1時間以上も一緒に過ごしている。

家には誰もいないのだろうか? それとも、いても話すこともなく寂しいのだろうか・・・ と、勝手に想像しながら、何だか切なくなってきてしまう。

 

今日はどうしてもスーパーのキャッシュコーナーと郵便局に行く用事があった。夫の昼寝中に急いで出かけ、ついでにスーパーにも寄った。

今日は25日で給料日のところが多いのか、キャシュコーナーは思いのほか混んでいた。

急いで買物を済ませ、レジに行くと何処のレジも何人かが並んでいた。私は、その中から早そうなレジを選び並んだ。

隣のレジを見ると、年配の女性がお寿司のパックだけを持って並んでいた。その人の順番になった時、レジ係の人が「〇〇カード(ポイントカード)をお持ちですか?」と聞いた。すると、その女性はカバンの中を探し始めた。だけど、見つからないようで、お寿司のパックをレジに置いたまま、列を離れ、カバンの中を探し出した。

レジ係の人が「お客様・・・」と声をかけても、聞こえないのか、座り込んでカバンの中を探していた。

時々、レジでカードをいつまでも探していたり、金額を言われてからカバンから財布を取り出して、しかも細かいお金を探し、それで支払おうとしている人に遭遇することがある。

今の私は極力レジに並んでいるうちに財布やカードは取出しておくようにしている。でも、金額を言われた時に見つけられないこともある。そういう時には、カードは諦め、小銭も出さずにお札で支払うようにしている。

結局、パックのお寿司を買おうとしていた女性は私がレジを済ませて帰るまで、探し続けていた。途中からはお店の方が2人も対応して。

 日野原重明先生や、しいのみ学園の曻地三郎先生のように100歳を超えても現場で活躍してみえる方もたくさんいる。だけど、年を取るということは、そういうふうになっていくことかも知れないと思う。

そういう私も・・・

今日はキャッシュコーナーで振込をした時、金額を間違えてしまった。しかも、郵便局ではお金をおろしたあとに通帳を取り忘れるという大失態。

どちらも何事もなかったからよかったけれど、これからは年々、こういうことが増えていくのだろう。

年を取るというのは当たり前のこと。

徐々にできないことが増え、人に迷惑をかけることも出てくるかも知れないけれど、できれば「ステキに年を重ねているね」と言われたいものだと思う。

そのためには体に気をつけ、適度の運動を続けること。そして、頭の体操も忘れず、何より心を鍛えておかなくては・・・