えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

サカホンという楽器

今の若い人はみんな歌が上手だと思う。小さい頃から音楽に親しんでいるからだろうか。

 私は歌は好きだけれど、人の前では歌えない。すごく音痴だから・・・

みんなで歌わなければならない時にはいつも口パク。それほど音痴なのだ。

小中学生の頃、遠足や修学旅行のバスの中でマイクが回ってくるのがすごく苦痛だった。今では歌いたい人たちでマイクは奪い合いだと聞いたことがあるけれど、当時は嫌がる人にも順番にマイクが回り、歌わされた。マイクが回って来そうになると、寝たふりをして、回避しようとしていたぐらい嫌だった。

高校に入ると、芸術科目は選択になったけれど、小中学校の頃は音楽の授業は全員必須。歌のテストの時はクラスメイトの前で一人で歌わなければならないので、泣きたいぐらい嫌だった。

でも、成績は決して悪くはなかった。音楽自体は好きだったので、歌が下手でも、学科試験の成績と器楽の成績でカバーできていたから。

当時の器楽は「サカホン(サカホーン)」というもので、私はこれが大好きだったのだ。

カホンというのはハーモニカみたいな楽器で、吹き口の順番がハーモニカとは違っていた。ハーモニカはドレミファソラドシとなっているけど、サカホンはドレミファソラシドと順番になったいる。だから、ハーモニカよりずっと吹きやすく簡単だった。

だけど今、そのサカホンは私の手元にはない。中学を卒業してから処分してしまったのだと思うけれど、それが残念で仕方がない。

結婚してからも、そのサカホンが欲しくて何軒かの楽器店を探したことがある。でも、なかったから、諦めてハーモニカを買った。そして、一人で楽しんでいた。でも、そのハーモニカも処分した覚えがないけれど、どこかにいってしまった。

夫が倒れる数年前にも、名古屋に出かけた時に楽器店でサカホンを探してみた。その時もなかったので、もう販売してないのだと諦めることにした。その時、ネットで「サカホン」と検索してみても全くヒットすることがなかったから。

それが今日、クイズ番組を見ていた時に「オカリナの音色に癒されてオカリナを始めた」と言っている人を見た。オカリナの音色もいいけれど、私にとってはやっぱりサカホンだ。サカホンのことを思い出してしまうと、またまた欲しくなってくる。それで、今日もダメ元だと思いながら、ネットで検索してみた。すると、今日はそれが出てきたのだ。しかも今でも製造している会社があることが分かった。

なんだかずーっと探していた大事な人に会えたみたいで、すごく嬉しくなってきた。

カホンはそんなに高いものではないはず。早速、問い合わせて買いたいと思っている。