えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

美術館へ行って来た

先週の水曜日から、夫も私もデイケア日以外には外出をしていない。お天気が悪かったこともあるけれど、散歩にさえも行くことはなかった。

それでも、私はゴミステーションまでは行っている。だけど、夫は玄関から一歩も出ていない毎日だった。

どこにも行かなくったって一日は暮れる。「週に2日はデイケアに行っているのだから、それでいいじゃないか」と思いながらも「このままでいいのだろうか・・・」と、思ってしまうことがある。

正に今日はそんな日だった。

雲で覆われた空を眺めながら、私のどこかに行きたい病がうずき始めた。雨は金曜日ぐらいからの予報。近くならば大丈夫だろうと「絵を観に行かない?」と、夫を誘ってみた。

豊橋市美術博物館で開催中の「雪月花 美人画の四季」という企画展に行きたいと思っていたから。

f:id:emukobb:20131023215749j:plain

美人画に特別な興味があるわけではないけれど、地方都市では企画展を逃したら、そうそうこれだけの絵を観ることはできない。だから、会期中には行こうと思っていたのだ。

美人画のコレクションで有名な培広庵コレクションが80点展示され、それは見事だった。上村松園伊東深水鏑木清方等など。

だけど、私レベルでは上手(当然だけど)だとか、きれいな絵ぐらいしか感じ取ることができなかった。作者の名前が書いてなければ、どの絵が松園の絵なのか深水の絵なのかも分からないぐらい。ただ、80点の中から絶対に違うと思うものを20点ぐらい選べと言われれば選べるかもしれないけれど。だけど、そんなレベル。

夫も美人画が特に好きだったわけではないけれど、それでも私とは反応が違ったみたい。どう違うかは、言葉では言い表せないけれど。でも、有料の企画展だからやっぱりすばらしい絵ばかりだったと思う。

それに、夫に刺激を与えることもできたし、私自身の欲求も満たされたわけだから、今日の成果は十分だったと思っている。

そして、美術館の2階までの長いスロープを車いすを押していた時、見知らぬ方から「大丈夫ですか? 何かお手伝いしましょうか・・・」と、温かい声をかけていただいたことも嬉しいことだったから。