えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

ご近所のおばさん

夫は生まれた時から今の地で暮らしている。

50年ほど前に区画整理される前までは、この辺りはほんとに田舎で、田んぼと畑ばかり。道も細く、家もパラパラとしかなかった。

それが、区画整理後、新しい住人が増え続け、最近では当時の住民は1割にも満たないぐらいで、我町内の組でも我家だけ。あとの方たちは区画整理後に引越してみえた方たちだ。それでも、45年前後にはなると思うけれど。そして最近は、また新しい方たちが増えたので、知らない人たちの方が多くなってしまった。だから、ご近所の付き合いもほとんどなく、道で会えば挨拶をする程度だ。

 

でも、隣組には夫が子どもの頃からのご近所さんが数件ある。

そのうちのAさんとBさんは隣通し。

Aさん宅は今はおばさんが一人暮らし。関東に住んでいるご長男さんと、我家の亡くなった義兄が同級生(私の兄も中学の同級生)。上の娘さんは義弟と同級生(私の弟も中学の同級生)。そして、娘さんとは隣り合わせで暮らしている

Bさん宅は事情があって今は誰も住んでいない。ご主人と長男さんは亡くなり、二男さんは隣町に済んでいる。そして、夫の同級生だった娘さんは遠く岡山に嫁いだので、今おばさんは施設に入所している。だけど、農地をいっぱい抱えているBさん宅では屋敷内の畑や農地の手入れが必要で、時々二男さんが農作業に来ている。

 

私は夫と結婚以来、あえてその二人を「〇〇さんのおばさん」と呼び、随分可愛がっていただいた。特にAさんのおばさんには。

 

19時頃、そのおばさんからBさんの二男さんがサツマイモを掘って置いて行ったのでおすそ分けしたいと電話があった。

Aさんのおばさんは我家の母たちとは違って、とても社交的な方だ。だから、Bさんの二男さんは作物がたくさん取れた時には「みんなで分けて食べてほしい」と、Aさんに託していくみたい。そのメンバーに我家も入っているとのことで、時々Aさんのおばさんから電話が入るのだ。

今日も、日中に何度か電話をくれたみたいだけれど、私につながらなかったと言い、夜になったそうだ。

ありがたいことだと思う。

だけど、ご近所とはいえ夫を一人残して出かけるのはとても心配だった。それでも、夫のトイレを済ませ、おばさんの家まで出かけることにした。

おばさんは一人暮らし。いろんなことを次々と話し始めたので話し相手が欲しかったのだろうか・・・

しばらく話しに付き合っていると、10分ぐらい経った頃だろうか「引き留めてごめんね。また、散歩の時に寄って・・・」と、おばさんは言った。何だかもう少し話したそうだったので、ちょっと後ろ髪をひかれたけれど、夫のことが気になったので帰ってきた。

夫は何事もなくテレビを観ていたのでほっとした。

今度は夫と散歩に行きながらおばさんと話してこようと思う。夫の方がおばさんとは古い付き合いだから、夫の顔を見れば喜んでくれるのは間違いないと思うから。