片づけをすると、しまい込んだまま忘れていた物を見つけたり、思い出のものが出てきたりする。
そうすると、しばらく手を休めて、出てきたものを眺めていたり、その頃のことを思い出したり、それに関連するものまで引っ張り出してきたりしてしまう。
昨日から今日にかけてが正にそんな日だった。
昨日、自分の万年筆を探したことを書いた。夫の透明水彩絵の具を買ってきたことも。
探し物は離れの自分の部屋と居間として使っていた部屋。
夫の絵の道具は母屋の方にかなり持ってきたけれど、離れの押し入れの中にもまだたくさんのものが置いてある。それで、探し物のついでに少し整理しようと取り掛かった。
結局、自分の万年筆は見つけられなかったけれど、夫が元気だった頃、一緒に行った旅行先で買った版画と絵はがきが出てきた。
いつも旅行に行くと、旅先で気に入った絵はがきを見つけると買っていた。買った絵はがきは旅先から友人に出したり、家に帰ってから出したり。そして、残った絵はがきはファイルに整理している。
それが、他のものと混じってそのまま押入れの中にあったのだ。気に入って買った物なのに。
これは高山に行った時に買ったハガキサイズの木版画。印刷の物は安くてあったけれど、どうしても摺ったものが欲しいと夫が買った物。額に入れて、丑年の時に飾ろうと。
これは浄瑠璃寺で買った絵はがき。誰にも出さずにそのまんま。
夫が倒れる前は、年に何度か京都や奈良に出かけていた。日帰りだったり一泊であったりで。
我家からだと、新幹線を使えばこだまでも2時間あれば京都に着ける。だけど、大抵は青春切符の時期に出かけるので、快速か鈍行。
京都に行く時は東海道本線と山陽本線で行き、奈良の時には東海道本線で名古屋まで行き、そこから関西本線に乗換え、また奈良線を使って奈良に入る。帰りは京都から山陽本線、東海道本線を使うけれど。
ここ浄瑠璃寺に行った時は暑い夏の日だった。
ここは加茂駅からバスだったので、関西本線で行った。だから、てっきり奈良のお寺だと思い込んでいた。でも、住所を見たら京都だった。
関西本線の車窓は東海道本線の車窓とはちょっと違うので、私は結構好きな路線なのだ。
楽しかったなあ、電車の旅は・・・
お寺は大きくはなく質素な気がしたけれど、お庭はすごく立派だった。「本堂に上がるには拝観料が必要だけど、お庭だけなら無料で見られますよ」と言われたけれど、本堂でお参りもしてきた。このハガキはその本堂の入口で買ったもの。
今頃出かけたら、さぞかし紅葉がきれいだろうと思う。
このハガキを見ながら、夫とひとしきりその時の話を楽しんだ。といっても、夫は笑っているだけで、私の一人芝居みたいなものだけど。
それでも、夫は懐かしく思い出したみたいだった。夕食後、夫を一人にして、私はテレビを観ていたら、自分でファイルに入れたようで、きちんと整理してあった。
この絵はがきは浄瑠璃寺より前に行った、奈良の百毫寺のもの。
残りはみな友人に出しちゃったけれど、作者が同じだろうか、浄瑠璃寺の絵はがきとよく似ていた。これもお気に入り。
浄瑠璃寺は階段があるので無理だけど、また京都や奈良に行ける日が来るだろうか・・・
実は昨日見つけられなかった本は「車いすで行く京都」という本だった。以前はあったはずなのに、なくて残念だった。
また行きたいなあ、大好きな京都や奈良に。