えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

遣り切れない

昨日の新聞に『知的障害者に職員暴行 千葉、10人被害 19歳、2日後に死亡』という記事が載っていた。

今朝のテレビニュースでも、昼のニュースでも報道されていた。

私は「またか・・・」と思いながら、やるせない気持ちで胸が張り裂けそうになってきた。

記事によると、

千葉県の障害者支援施設・・・・・・で、男性職員が男性入所者10人にそれぞれ暴行していたと12日、県が発表した。被害者のうち19歳の少年は、暴行を受けた2日後に腹膜炎で死亡した。県警は死亡と暴行との因果関係を調べている。・・・と。

その施設では、もう2年半前から日常的に暴行が行われていたという。

入所していた19歳の少年が腹を複数回蹴られ、2日後に亡くなったため発覚したのだろう。テレビではその因果関係を調べるため施設に家宅捜査(立ち入り検査だったかも)が入ったという映像が流れていた。そして、何とか指導員という職員はその暴行の現状を知っていたと言う。

 

ネットのニュースでは、他の施設でも20代の女性職員が30代の女性利用者に「座ってんなよ」と威圧的な暴言を吐いたり「オラッ」と怒鳴って頭を押すなどの行為があったと書いてあった。

 

大声を出すから、自分の思うようにならないから、といって殴る蹴るの暴行は許されるものではない。殴る蹴るの暴行は明らかに虐待であり、これは犯罪に他ならないと思う。

暴行と死亡の因果関係はまだ分からないとはいえ、暴行を受けていた入所者本人や、ご家族のことを思うと胸が痛む。

 

以前、夫の母がショートステイを利用していた時のことを書いたことがある。

母の介護をしていた夫が脳出血で入院したためやむなく利用したショートステイだった。そこで母は言葉の暴力とも思えるような言葉を浴びせられていたのだ。

当時、母は90歳をとうに越していたけれど、認知症もなく職員の言葉ははっきりと心に刻まれていた。

どんなことを言われようと言い返すこともなく、我家の状況を考え、自分が行かなければならないと我慢していた母のことを思うと、私は今でもそのショートステイの名前も知らない職員に腹が立って仕方がないし、許せないでいる。

 

障害者の施設、介護の施設など、弱者と言われる人たちが利用しなければならない施設で日常的に暴力行為が行われているのは許しがたい。

その障害者支援施設では定員80人。居住棟が5棟あり、職員が入所者の食事や排泄の介護をしたり、自立に向けた指導をしているという。

障害者支援施設の職員というプロの思いはなかったのだろうか。どうすれば自立に向けた指導ができるかというような・・・

 

職員が全部で何人いるのだろうか。暴行を行っていたのは一部の人だとは思うけれど、2年半も前から日常的に暴行が繰り返されていたのなら、それを見て見ぬふりをしていた職員も多いと思う。注意すると自分が勤められなくなると思うのか、辞められては困るからなのか。

障害者施設や介護施設では国の基準は最低限満たされているだろうけれど、人手が足りないのだろうか。それで、思うようにならない弱い利用者に暴行をするのだろうか。

皆々でないのだから、やっぱりその職員の人間性なのだろうか・・・ 等など、頭の中ではそんなことばかりを考えてしまう。

そして、調べれば多分もっと多くの施設で同じようなことが起きているだろうと想像してしまう。

 

今、障害者というものになってしまった夫と二人暮らしの私は、自分が介護ができなくなった時のことを時々考えてしまう。その時は施設にお世話になるしかないと。

 そんな施設ばかりではないと思いながらも、これはホントに遣り切れない事件だった。