えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

歩くことは

数日前、洗濯物を干そうと庭に出ると、ロウバイの花が一輪咲いていた。

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こういう時って、何だか嬉しくなってくる。

私が寒い寒いと縮こまっている間にこんなに蕾が膨らみ、咲き始めているのだから。

 そういえば昨日、朝刊の三河版新城市のお寺でセツブンソウが咲き始めたと、写真付きで載っていた。

 

今日は風がちょっと冷たいけれど、お日さまは出ているから花を見に出かけるのも悪くない。お寺は車いすの夫には厳しいかもしれないけれど、公園のロウバイか、渥美半島まで菜の花を見に行くのもいいかもしれない。黄色い花は見ているだけで不思議と元気が出てくるから・・・

そんなことを考えながら朝の一連の仕事を終えたあと、夫に「菜の花でも見に行かない?」と言ってみた。

でも、返事は・・・・・・と、首を傾げるだけ。

「じゃあ、美術館は? 今、これをやってるよ」とネットを開きPCの画面を見せてみた。

こちらも返事は・・・・・・と、やっぱり同じだった。

こういう時は諦めが早い。寒い中、夫に「行きたい」という気持ちがないのに連れ歩くことはないと思うから。明日はデイケアに出かけるのだから「今日は家でゆっくり過ごせばいいっか」となるわけで。

まあ、そうすると何の刺激もない1日になってしまうのだけど・・・

 

案の定、夫は昼食を済ませるとお昼寝に突入した。

これは内服薬の影響で痙攣発作を予防するための代償なのかもしれない。だから、身体が求めるだけ寝かせてあげた方がいいのだろうと思い直す。

だけど、私は体が鈍ってしまいそう。

それで、もう瞼がくっつきそうな夫に「近くを散歩してきていい?」と聞いてみた。

・・・・・・首を縦に・・・・・・

「何かあれば携帯の1を長押しだよ」

・・・・・・首を縦に・・・・・・

首を縦に頷きながらもう瞼は閉じている。

携帯電話を使える確証はまだないけれど、おそらく1時間は起きることはないだろう。多分、2時間ぐらいは寝ていると思う。早く起きたとしても、散歩に出かけることを言ってあるから大丈夫だ。

そう思いながら、私はお昼寝中の夫を一人家に残し、散歩に出かけた。

散歩コースを家の近くの朝倉川沿いに決めて。

雲は多いけれど、空は青くて気持ちがいい。

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川沿いは今の季節は枯草ばかりだけれど、それでもせせらぎが聞こえてくるから、心地が良くて好きなコースだ。

写真には撮らなかったけれど、近所の人が植えたのだろう水仙が土手のそこかしこで咲いていた。

 

川にはサギやカモ、川沿いの木々にはムクドリヒヨドリセキレイも・・・

鳥たちを見ているだけでも癒される。

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北側の川沿いを歩き、橋を渡って向こう岸を歩き、また橋を渡って戻る、そして、家の周りをもう少し歩いて約30分。

これだけ歩いただけでも、何だか身も心も軽くなったような気がしてくるから不思議だ。膝の調子も心持ち良くなってきたように思う。

今の私にとって、こうして歩くことは仕事みたいなものかもしれない。

もちろん、お金にはならないけれど、夫のためにも自分のためにも、心と体の健康を維持するための仕事なのかも・・・