えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

ねこ(だ)をもらった

「ね、ねこって知ってる?」と受話器の向こうからJ子さんに聞かれた。

「知ってる?」と聞くからには動物のねこではない。

「あれのことかな?」と思いながら、「背中に背負うやつのこと?」と聞き返すと、「そう。そのねこを知り合いが欲しい人にあげればいいからと言ってたくさん作ってきてくれたの。いらない?」と聞かれた。

 

「ねこ」は「ねこだ」ともいうみたい。

辞書を引いてみたら、藁縄を編んで作った大型のむしろ、また、背負い袋。背負子の下に当てる藁製の背当てをもいう。とあった。

この地方だけなのかどうかわからないけれど、私にとってのねこは綿入れ座布団のようなものに背負いひもがついたものなのだ。

 

J子さんはねこを見て、うれしいことに私のことを真っ先に思い浮かべたという。

私は使ったことはないけれど、暖かそうな気がして「まあ、うれしい!!」という言葉が飛び出した。

 

それで、いただいてきたねこ2着がこれ。

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私は1着のつもりだったけれど、J子さんが「お父さんの分も」と、夫と私の分の2着を袋に入れて準備しておいてくれたのだ。

すぐに着てみると「ちょっと、おしゃれ!」という訳にはいかないけれど、背中から腰までが優しい温かさに包まれるよう。それで、デイケアから帰宅した夫にもすぐに着てもらった。

 

子どもの頃、小学生の頃の記憶はないけれど、中学生の頃は母がウールの着物を使って綿入れの丹前を作ってくれた。湯上りにそれを着て、腰から下には毛布を巻いて勉強していた。

高校生の頃には綿入れの袢纏だったような気がする。

その頃になると、たまにはこたつやストーブのある所で勉強することもあったけれど、だいたいは綿入れの丹前か袢纏を着て、暖房のない部屋で勉強していた。

 

今、いただいたねこを着て、腰から下には薄い布団を巻いてPCに向かっている。あの頃のように暖房なしの状態ではないけれど、背中から腰の辺りは懐かしくなるようなやさしい温かさに包まれている。

外にまで着ていけるようなものではないけれど、昔のものもなかなかいいものだと思う。これも年をとったということだろうか・・・