映画館にはもう4年以上行っていない。
以前はネットで予告編を見たりして、見たいと思う映画があると、一人で出かけていた。
とはいえ、私は特別映画好きという訳ではない。だから、映画館に行けなくてもいいのだけれど、それでも最近ではテレビでも映画の宣伝をするようになったので、たまには大画面で観たいと思うことがある。
ま、しばらく待っていればテレビでも放送するので、大画面で観るのとは違うけれど、映画を楽しめないわけではない。
だけど、テレビで放映する時間はいつも21時過ぎ。それで、新聞のテレビ欄を見た時に、観たい映画があれば録画予約をしている。
そうして録画しておいた番組も録画したこと自体忘れてしまったり、なかなか観ることができないうちに忘れてしまったりすることがある。
今日は午前中から雨が降り出し、夕方まで降り続いていた。
そんな日はどこにも出かけることができないので、録画番組を整理している。
それで、しばらく前に録画したまま忘れていた「東京家族」があることに気づき、それを観ることにした。
小津安二郎監督の「東京物語」はまだDVDではなくビデオの時代に観た。
「東京家族」は山田洋二監督がそれをリメイクしたもので、映画館で観たいと思っていた映画だ。
「東京物語」を観た頃は、たぶん映画の中でいうと長男世代だったような気がする。
その時、もちろんいい映画だと思った。
そして、家族一人一人の心理描写に思いを馳せながら観ていたように思う。
笠智衆さん、東山千栄子さん演じる両親のことが切なくてたまらなかったし、きょうだいたちの心情もすごく理解でき、心に響く物語だった。
そして、今日観た「東京家族」。
賛否両論あるみたいだけれど、私はやっぱりいい映画だったと思う。
だけど、自分自身が年を重ね、今回の「東京家族」を観ると、辛くなるほど感情移入してしまうのだ。
吉行和子さん演じる母親は68歳。私はまだその年にはなっていないけれど、ちょっと手を伸ばせば届いてしまうほどの年齢だから。
映画のキャッチコピーは「おかしくて、悲しい。これはあなたの物語です」だそうだ。
そして、宣伝では「家族って、やっかいだけど愛おしい」と言っている。
だけど、私には「おかしくて、悲しい・・・」ではなく、切なくて、悲しい・・・
そして、やっかいだと思われる側になってしまった寂しさなのだ。
そんな気持ちになってしまった映画だった。
今日はお天気が悪かった。だから余計にそう思ってしまったのかもかもしれないけれど。
我家も子どもたちは2人とも関東に暮らしている。
近々、長男家族の家に行く予定でもいる。
泊まるわけではないし、子どもたちは「楽しみにしているよ」と言ってくれている。
だけど・・・
いい映画だとは思うけれど、酷なまでの現実を見せつけられたようで「今日は観なければよかった」なんて、少しだけ後悔しているのだ。