えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

たまにはみそ汁がいいけれど

結婚当初から、我家の朝食は土日以外ご飯とみそ汁だった。

それ以前はパン食だった私がご飯党の夫に合わせる形でそうなったのだ。

それが20年も経つと、私は徐々に自己主張するようになり、パンの日が増えていった。

夫は、そんな私に「日本人の朝ごはんはご飯とみそ汁に決まってる。お前はみそ汁が好きじゃないから作りたくないんじゃないか」と言うようになり「俺がおいしいみそ汁を食べさせてやる」と、自分で作るようになった。

私は勤めに出るようになっていたので心の中で「ラッキー!!」と叫び、いつの間にか朝食は夫の係りのようになった。

 

それが倒れてからは、あんなに好きだったみそ汁を喜ばなくなったのだ。

この間、そんな話を抗がん剤治療を経験した友人に話したところ、彼女の場合「抗がん剤治療を受けてからみそ汁の味が分からなくなってしまった」と言うのだ。

夫の場合は口の中にもマヒが残っている。だから、私のみそ汁がまずいという訳ではなく(と思いたい)、どうも味覚障害があるような気がしている。

みそ汁だけでなく、毎日でもいいと言っていたカレーライスも喜ばなくなったし、おすしのわさびは取り除くようになった。そして、ビールには口すらつけなくなったから。

 

何がどうなったのか、言葉で表現できないので分からない。

だけど、確実に好きだったものが食べたくないものに変ってしまったのだ。

それで、朝はパン食に変えた。

食パンやデニッシュパンをトーストしたり、サンドウィッチやホットサンドやホットドッグを作ってみたり、 バターロールに卵をはさんだり、たまにはブドウパンみたいな菓子パンを買ってみたり・・・

あんなにみそ汁、みそ汁と言っていた夫が今では完全にパン食になってしまった。

おいしく食べてくれるのはいいけれど、パンの方がカロリーがかなり高そうな気がする。塩分も多いかも。

それに食費も高くつくような気がする。トーストだけならそんなことはないかもしれないけれど。

味覚障害だとしたら仕方がないけれど、最近では私の方が「たまにはみそ汁を飲みたいなあ」と思うようになってきた。

だけど、喜ばなくなったのを承知では作れない。

かといって、一人の時には面倒くさくて作れない 。というか、若い時なら食べたいと思ったらすぐに作ったけれど、今は食べたいと思っても作りたくないのだ。

ああ、たまにはおいしいみそ汁が飲みたいなあ・・・