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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

母親の気持ち

朝日新聞の日曜日のテレビ欄に「TVダイアリー」というコラムがある。

そして、4月27日からこの間の日曜日までの4回、朝ドラ「花子とアン」の制作統括をされていたNHKドラマ番組部チーフプロデューサー加賀田透氏の文章が載っていた。

毎日「花子とアン」を楽しみに見ている私は加賀田氏のコラムを毎回楽しみに読んでいた。

で、このあいだの日曜日「故郷と花子、そして私」と題された記事を読んで、私は何だか嬉しくなった。

・・・・・・先週の放送では、卒業後の選択に悩む花子をめぐる人間模様を描いたが、室井滋さん演じる母・ふじのセリフと表情に、私は泣かされた。花子が故郷に帰ると期待していたふじは、東京の出版社で働きたいという花子の希望を知り驚くが、自分の気持ちを押し殺し、好きなようにしろという。そして、後輩たちに英語を教える花子をまぶしげに、寂しげに見つめ、静かに去っていく。

そんなふじの姿に、私はハッとした。30年も前、大学を卒業しても故郷に帰らない選択をした私に、母は何も言わなかったが、私の知らないところで、ふじのような表情を浮かべていたのではないか。そんな思いにしばしとらわれた。同じような経験を持つ人たちにとっても、心にささるシーンだったのではないか。・・・・・・

実は私もそのシーンを見て涙したのだ。ま、室井さんの演技が素晴らしかったこともあるのだけれど。

加賀田氏は、親が子を思う気持ちの大きさに気づき、そして、その気持ちの上に今の自分があることが分かったのかもしれない。

私には同じ親として痛いほどにふじの気持ちが伝わってきたのだ。

 

我家には二人の息子がいる。

私は子どもたちが小学校低学年ぐらいまでは多分うるさい母親だった。

だけど、高学年になってからは口出しはせず、自分たちで考えて行動するように仕向けてきたと思う。こちらも多分だけれど。

その結果、息子たちは二人とも関東の大学に進学し、卒業後は故郷に戻ることなく東京で就職した。

私はもちろん、子どもたちが自分で決めた道を進むことに反対はしなかった。むしろ、喜んでみせた。自分の進みたい道があること、職が決まったことは嬉しいことには違いなかったから。

だけど、心の底では中部圏の企業に就職してくれないだろうか、あるいは県職か市職に就いてくれないだろうかと思っていたのだ。

そして、やっぱりふじと同じように寂しかった。でも、子どもたちを親元に縛ろうと思っていたわけではないので、言葉にも態度にも表すことはしなかったけれど。

だから、我家の息子たちはそんな親の気持ちには気づいていないと思う。

もちろん気付かなくても構わないし、その方がいいのかもしれない。

だけど、加賀田氏はそんな親の気持ちに気づいたのだろう。

そんなことを文章から感じ、我が子ではなくても親の気持ちを分かってもらえたような気がして、何だか嬉しく思ったのだ。