えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

許せない高齢者施設での虐待

今朝、パソコンのスイッチを入れブラウザを立ち上げると、ヤフーニュースの『〈高齢者介護施設〉職員が利用者4人に性的虐待 懲戒解雇に』というタイトルが目に飛び込んできた。

「またか・・・」と思いながら記事読むと、怒りが沸々と湧き上がってきた。

記事によると、新潟市の高齢者介護施設のショートステイで、昨年5月~今年3月、介護福祉士の男性職員が少なくとも利用者4人に、下腹部の体毛をひげそりでそる性的虐待をしていたという。それだけではなく、夜勤の際に利用者に暴言も浴びせていたそうだ。

被害に遭われた利用者は要介護4、5の60代~90代の男女4人だ。男性職員は施設の調査に「ストレス解消のために、認知症が進むなどして抵抗できない人を選んでいた。利用者や施設に迷惑かけて申し訳ない」と話しているという。

合わせてヤフーニュースには高齢者虐待に関する栃木県のニュースも載っていた。こちらは「通報増も被害者減」というタイトルで、施設のことだけではなく、家庭での虐待の状況についても報じていた。

家庭での虐待は別として、栃木県では県内の要介護施設で65歳以上の高齢者に対する虐待件数は2件、被害者は2人であったと公表した。

 

虐待のニュースを聞くたびに、私は介護のプロであるはずの職員が抵抗できない弱者に対して身体的な虐待や暴言等の心理的な虐待をすることが信じがたいし、許せない気持ちでいっぱいになる。

 

もう何度も書いているけれど、夫が脳出血で倒れてから、自宅で介護していた義母にやむなくショートステイを利用してもらった。

そこで義母も言葉の暴力を浴びせられたのだ。

それまで愚痴も人の悪口も言ったことがない義母がショートステイから帰って来ると「介護士さんが、私のことを『おいデブ』とか『おデブちゃん』と言って、名前で呼ばないんだよ」と悲しそうな顔で義姉や私に言ったのだ。

それに、家ではポータブルトイレで排泄していたけれど、ショートステイでは「何のためにオムツをあてているのか。おむつの中ですればいい」とも言われたという。

義母は高齢で足腰が弱っていた。だから、ポータブルトイレへの移動には時間がかかる。ショートステイの夜勤者は何人だったのか分からないけれど、たぶん人数は多くはない。だからこういう言葉が出たのかも知れない。けれど、尿意もハッキリ分かり、認知症もなくしっかりしていた義母には辛い言い方だ。しかも、仕方なくオムツ内に排泄しても、時間が来ないとオムツの交換はしてもらえないのだから。

私はその時、ケアマネか施設に言うことを考えた。しかし、義母は「私が行かないと困るでしょ。私が重いから大変なの。それに男の人は力があるからお風呂の時には親切にさげてくれるから・・・」と言うのだ。で、私はそのまま口に出すことをせずに胸の内にしまい込んでしまった。それで、義母には悲しい思いをさせてしまったと、今でもその時のことを思い出すと悲しくなってくるのだ。

 

表面化する高齢者施設での虐待は、氷山の一角に過ぎないと思っている。義母の時のことを思っても、実際にはものすごく多いような気がしてならない。

 

施設は被害者の家族に謝罪し、施設長は「職員の心身状態の把握が不足していた。再発防止に努めたい」と話しているそうだ。

いくら謝罪されても、抵抗ができない人を選んで、自分のストレスを解消させるなど、到底許せるものではない。被害を受けられた方やご家族の方は言いようのない悲しい思いをされたのではないかと思うと、尚のこと許しがたい。それに、ショートステイを利用せざるを得ない事情があるのだろうと思うと心が痛む。

 

もしも夫がそこのショートステイを利用していたとしたら、言葉を話すこともできず、右半身が完全にマヒしている夫は間違いなく虐待の餌食になっていただろうと想像してしまう。だから人ごととは思えないのだ。

 

それにしても一年近くの間、ほんとに誰も気づかなかったのだろうか。体毛を剃れば、他の人も気づきそうなものだと思うけれど。

気がついていた人がいても、それを上司に言うことができなかったのだろうか。

盲導犬を傷つけたり、目の不自由な人を傷つけた事件の時にも思ったことだけれど・・・