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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

夫の歯が取れてしまった

先日の夕食時、夫の被せていた歯がぽろっと取れてしまった。

「虫歯にはあんなに気を付けていたのに・・・」と、私はかなりショックだった。

 

夫は言葉が話せなくなってしまったのでホントのことはわからないけれど、口腔内にも味覚障害を含んだ感覚障害のようなものが残っているのだと思う。食事を終えた後、異常がない人の口腔内には食べたものが残ることはないけれど、夫の場合それが右側の口腔内にかなりの量残ってしまうのだ。

入院中はうがいをしても口腔内に溜まっている食物残差がかなり残り、指でかき出さなければ歯磨きができないほどだった。

その上、今はかなり良くなったけれど、高次脳機能障害の失行や遂行機能障害もあり、歯磨きもうまくできなかったのだ。

今はうがいをすれば口腔内に残ることはほとんどなくなったけれど、それでも声をかけなければうがいをし続けたり、同じところばかり磨いたりと、失行や遂行機能障害らしき症状がみられるのだ。

で、虫歯になったら大変だと思い、声掛けはもちろんだけれど、夕食後の歯磨きだけは毎日私が磨き直しをしていたのだ。それなのに・・・

 

車いすの夫が受診するということは想像以上に大変なことなのだ。急性期病院のようなところなら大丈夫なのだけれど。受診するにあたりある程度の時間がかかるならば、車いすの夫と介助する私が一緒に入れるトイレがないと困るし、できれば駐車場も。駐車場に関しては介護タクシーを使えばいいのかもしれないけれど、金銭面を考えるとできれば自家用車で行きたいと思う。

夫が倒れる前にかかっていた歯科医院は気に入っていたけれど車いすでの受診はハード面で絶対に無理。でも、歯が取れてしまったからにはどこかに受診しなくてはならない。

以前、訪問リハビリのPTと「もしも・・・」という話から、歯科医院の話をしたことがあった。その時、PTの子どもさんが受診していた歯科医院は車いすでも大丈夫そうだと聞いていた。それと、友人の母親がいわゆる老人病院の歯科を受診したという話を思い出した。どちらも受診したことはないけれど、距離的にはそう変わりはなさそうだ。

で、まずは歯科医院の方に電話をしてみた。院内は車いすでも大丈夫。トイレも車いす対応。駐車場は5台分あるが通常幅。受診は予約で1週間後まで空いていないとのこと。電話の対応も悪くはなかったけれど、できればもう少し早く受診したいと思い、老人病院の方にも聞いてみることにした。

老人病院は当日でも受診可能かと思ったのだけれど、ホームページを確認したら予約が必要だと書いてあった。それで電話をすると対応してくれた歯科の担当者がものすごく感じが良かった。老人病院だから車いすでも当然大丈夫のはずだし、車いす対応のトイレがあることも聞かなくてもわかる。それでも「大丈夫ですよ・・・」と言いながら説明してくださったその声はものすごく温かいものに感じられ、私には電話の向こう側の優しそうな笑顔まで想像できた。仕事上あたり前の対応をしただけなのかもしれないけれど、優しい言葉が返ってくると、私の胸はジンと熱くなり、涙がこぼれそうになってしまうのだ。受診日は歯科医院と同じ1週間後だったけれど、時間はこちらの方が都合がよかった。それで老人病院で受診することにし、予約を入れてもらった。

 

夫が倒れ、さまざまな障害が残ってしまった今、少しでも優しい言葉をかけられると私の感情はすぐに失禁してしまいそうになるのだ。元気だったときには感じなかったほど些細な、そして当たり前のような言葉であってもすぐなのだから、堪えるのが大変だ。