えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

サクラガサイタ

今日は夫の訪問リハビリの日だった。

今日の担当はSさん。Sさんは夫や私が好みそうなところに行くと、いつもスマホで撮ってきた写真を見せてくれる。例えば京都の紅葉やスキー場の雪の写真など等。

そして今日も、リハビリを始める前に「昨日、野依八幡社(のより)のシダレザクラを見てきたよ」と、夫にスマホを手渡し、写真を見せてくれた。

シダレザクラソメイヨシノより1週間ほど早く開花する。なので、ちょうど見頃の8分咲きぐらいだったそうだ。

 

リハビリの後半は四点杖を使い玄関の上り框を上り下りする訓練。下りた時は、そのまま車いすに座る。車いすの肘掛は杖より低い位置なのと、フットレストがあるので杖をどう使うかも訓練の一つだ。

車いすに座った後、今日は庭に出てみた。部屋の中からも公園の桜は見えるけれど、玄関先からはもっとよく見える。

今月21日、名古屋気象台から「桜が開花した」と発表があったけれど、その時はまだ、公園の桜は堅いつぼみだった。それがよく見ると、今日はチラチラと咲き始めていた。

私が「ほらあそこ、咲いてるよ。ほらほら・・・」と 、夫に見せようとしたけど、夫は車いす。我家の生け垣が邪魔をして見えなかった。するとSさんが「ここで立ってみましょう」と、その場で車いすから四点杖で立つ訓練を入れてくれた 。夫は立った途端は「お~!!」と歓声をあげ、みるみる顔が綻んだ。

 

これが我家の前の公園の桜 

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 リハビリが済むと、すぐに昼食だ。そして、夫はいつものようにお昼寝。

いつもだったら2時間以上寝ているのだけれど、今日は1時間ぐらい経ったとき、お通じのため、目を覚ました。

時間は2時30分。

お茶を飲んで、おやつを食べても3時だ。お通じも済んだ。それなら野依八幡社までシダレザクラを観に行ける。そう思って、夫に「野依までさくらを観に行かない?」と、言ってみた。返事はもちろんOKだ。ただ、出かけると決めてから支度に時間がかかるので、出発は15時30分になってしまった。

 

野依八幡社は我家から車で30分ぐらいのところにある神明社だ。豊橋市発行の「とよはしの巨木・名木 100選」には『社伝によれば慶雲元年(704年)に豊前国宇佐宮より勧賜し、その後康和2年(1100年)に再建したといわれている。』とある。よくわからないけれど、古いお宮さんということだ。そして、シダレザクラは平成11年2月22日に市指定天然記念物に指定された。

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幹周 288cm  高さ 6.1m  枝張り12mx13.8m  推定樹齢 300年以上

(これも「とよはしの巨木・名木 100選」より)

 

さくら並木も、公園のさくらもいいけれど、神社仏閣のさくらは格別だ。特に、支えられながらも凛として立つ老木は神々しくもあり、私にも頑張る力を与えてくれるような気がする。

 

ただ、神社の境内は砕石が敷き詰められていて、分かってはいたけれど車いすでの移動は大変だった。前輪が小さいから前に押しても進まない。後ろ向きになって、後輪から引っ張るように進めば大丈夫なのだけれど。

それと、13台分はあるけれど駐車場も。狭いし、シダレザクラを見に来る人が次々に訪れるから常に満車状態。前面道路は道幅が狭いから、路駐はできないし・・・

 

でも、でも、何とか車も止めることができたし、境内も後ろ向きに進み、みごとなシダレザクラを観ることができた。そして、頑張る元気をもらうこともできた。

写真では伝わらないかもしれないけれど、ほんとにみごとなシダレザクラなのだ。