えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

うれしい訪問リハビリ

我家の前の公園のさくらはこの間の金曜日にはまだ1分咲きぐらいだった。それがこのところの暖かさで一気に花開き、今日は8分咲きぐらいになっていた。f:id:emukobb:20150331124015j:plain

今日は夫の訪問リハビリの日だった。

訪問リハビリは20分間で1単位。そして、1回の訓練で2単位行ってもらえるので、リハビリ時間は40分間だ。

いつもはバイタル測定(体温、脈拍、血圧、経皮的血中酸素濃度)を行ってから、ストレッチ、関節可動域訓練、腹筋、背筋等の筋力訓練を行い、その後に立位や段差を含んだ歩行訓練を行っている。

 

今日の担当はYさんだ。

Yさんはバイタル測定が済むと「今日はお天気がいいから、このまま外に出て、歩いて公園までさくらを観に行きませんか?」と夫に聞いた。そして、私には夫の排泄状況を確認した。もしも外に出てからもよおすと、トイレまで間に合わない恐れがある。実際、今までに何回も、リハビリ中にもよおし中断したことがあるからだ。

その時、お通じはまだだった。でも、夫は外に行くという。行く気満々の夫の顔を見れば、私も行かせたいと思う。だから、もしもの時は外してあるスロープをすぐにセットすることにして、外に行くことになった。

 

ベッドで端坐位の姿勢から、四点杖を使って立位になる。

四点杖とYさんの介助で玄関まで歩行。そして上り框へ降り、土間に下り、一旦車いすに座る。車いすに座るのも訓練の一環だ。そこで外用の靴に履き替える。

そして、車いすのまま玄関ドアの外に出る。

ドアを出たところで、車いすからYさんの介助と四点杖を使い、立位になる。そこから4、5歩歩いたところに階段が2段ある。そこを上り、また6、7歩歩くと、今度は8段の階段が待っている。

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これは上から道路に向って撮った写真。

 

夫は今までに2段までしか上り下りしたことがない。8段もの階段は今日が初めての挑戦だ。今日は暑いぐらいの気温だったので、Yさんは汗だくになりながら介助してくれた。おかげで夫は無事に道路まで下りることができ、そのまま公園側まで歩いて道路を渡った。私は車いすをそこまで下し、みんなでさくらを見ながら小休止した。

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Yさんは時計を確認し「もうすこし時間がかかると思ったけれど、思ったより早かったですね」と言った。ベッドから公園まで、私が歩けば1分とかからないだろうけれど、夫がかかった時間は10分だった。だけど、介助なしでは自分一人で立つことさえできない夫が、介助と四点杖を使ってとはいえ、二本の足で立ち、公園まで歩いたのだ。しかも8段もの階段を下りて。

こんなうれしいことはない。何だかさくらまでが喜んでくれているような気がしてくる。

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しばらく小休止した後、Yさんは「帰りはどうしますか?」と夫に聞いた。車いすのままスロープになっている裏口の方から戻ってもいいからと。

でも、夫は「階段を上って戻る」という意思表示をした。

 

今度は、我家の側まで道を渡り、8段の階段を上る。そして6、7歩歩いて、階段を2段下る。そこからまた玄関先まで4、5歩歩き、車いすに座る。

車いすのまま玄関に入り、室内用の靴に履き替える。そして、また車いすから立位になり、上り框、床と2段上る。そこからベッドまで歩いて終了だ。

ちょうど12時。リハビリの終了時間ピッタリだった。

 

Yさんは夫の筋肉痛を心配し、その対処法を説明してくれたけれど、夫は「大丈夫!」と言わんばかりににこやかな表情だった。

訪問リハビリにはいつも満足しているけれど、今日は特に、夫も私も大満足のリハビリだった。そして仕事とはいえ、夫以上に疲れただろうYさんには感謝の気持ちでいっぱいだ。