えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

時にはパワフルに

今週の木曜日は夫の受診日だった。

木曜日はいつもだったらデイケアに行く日だけれど、病院受診の日は休むことにしている。そして、その日の行動は病院の受診状況と夫の心身の状態によって決めている。基本的には用事は入れないようにして。

 

だけど今週は久しぶりに図書館で借りた本の返却日だった。だから市民館には行かなければならない。

新聞代の請求書も届いていたのでできればコンビニにも行きたい。まあ、新聞代は次のデイケア日まで待てないことはないけれど、早く支払わないと気になって仕方がないのだ。

その上、水曜日に息子から「戸籍謄本を送って欲しい」とメールがあったものだから市役所の分所に行き、その日のうちに送ってやりたかった。

受診が済めば内服薬をドラッグストアに持ちに行くことも必要だ。

スーパーにも行かないと、次のデイケア日までは食材がもちそうもない。

受診が早く終われば、水曜日にお天気が悪くて行くのを諦めた「豊橋美術展」を観にも行きたいと思っていた。

 

美術館はともかくとして、ほかのことはいつもだったら夫がデイケアに行っている間に済ませていることばかりだ。

夫がお昼寝中に出かけるとしても、全部を済ませることは心配でできない。内服薬と市民館だけはどうしてもの用事。あとはできればのこと。だけど、諦めが悪い私はどうすればできるのかと頭の中で疲れるほどに考えを巡らせていた。

 

木曜日は朝起きるとお天気は最高だった。車いすの夫と出かけるにあたり、これだけでも十分すぎるほどに嬉しいのだけれど、出かける前にお通じも済んだ。お通じさえ済んでいればどこへ出かけるのも安心だ。

 

病院の予約時間は10時30分。健康な人なら10時に出れば十分間に合うけれど、夫の場合は車の乗り降りに時間がかかる。だから9時45分に玄関を出るぐらいがちょうどいい。

 

朝起きると、からだ拭きに着替え、朝食、歯磨き、髭剃り、トイレ、そして自分の準備・・・と、出かけるまでに結構時間がかかる。だけど、これも珍しく8時40分ぐらいには全て終了した。

それで、病院に行く前に市民館で本を返却し、市役所の分所にも寄って行くことにした。夫には車の中で待っていてもらうことにして。

 

2つも用事を済ませても、病院に着いたのは予約時間の25分も前だった。

受診手続きをし、トイレを済ませ、体重を計り終えるとすぐに呼ばれ、予約時間の5分前には診察も終了した。

連休に入るのでかなり待つことを予測していただけに拍子抜けするぐらいだった。以前勤めていた病院では混雑が予測される連休前後は予約人数の調整をしていた。ここでもそうしていたのだろうかと思うほどスムーズだった。ほとんど待つことなく受診が終わったのだから。

 

その時点でまだ昼までに1時間30分も残っていた。

 ということで、美術館にも行くことができた。「豊橋美術展」はほとんど毎年見ているけれど、なかなか見ごたえがある展覧会なのだ。地元で絵を教えている先生と呼ばれる方々も出品されている。我家の菩提寺の住職、倒れる前の主治医の奥様、教育大学の美術科に進学した高校の同級生、夫の高校時代の先生、面識はないけれど展覧会でおなじみの気になる方々・・・と、知っている方も多く出品されていて、ほんとに見ごたえのある展覧会だった。

 

美術館をあとにしたのは11時30分ごろ。

美術館の喫茶室でランチにしようかとも考えたけれど、帰りにスーパーによれば買い物ができる。ちょっと贅沢してパックのお寿司を買ったとしてもランチよりお値打ちだ。そんな風に考え、スーパーへ寄る道を選んだ。ここでも夫には車の中で待っていてもらい、大急ぎで次のデイケア日までの食材を調達した。

 

スーパーで買い物を済ませ、自宅に戻るとちょうど12時。

買ってきたお寿司を急いでお皿に並べ、それを食べ終えるとさすがに疲れたようで夫は自分から寝室に向かった。

 

私はその間に息子に謄本と少しばかりのおやつを送る準備をし郵便局まで走った。そして、ドラッグストアにも寄り、コンビニで新聞代の支払いも済ませた。

夫が寝入ったことを確認してから出かけたのだけれど、30分ぐらいですべての用事を済ませることができた。

 

その後は洗濯物を取り込み、片付け、録画番組まで観ることができた。

夫が昼寝から目覚めてからはお茶を入れ、おやつを食べて、散歩にも行った。さやかな風に吹かれ1時間ほど歩くととてもいい気分になった。

 

何事もスムーズに進んだとはいえ、自分でも驚くほどパワフルに動きまわれたと思う。ちょっと疲れてしまったけれど、思っていたことがすべてできた充実感というか、とても心地よい気分を味わえた1日だった。