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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

言いにくいことが言えなくてズルズル

夫は週3回訪問リハビリを受けている。そして、土曜日の訪問は今日が今年の最初だった。

 

以前書いたように、土曜日担当のPT(理学療法士)が今年から変更になる。当初、以前担当だったO1さんが再度訪問してくれることになっていたのだけれど、O1さんが妊娠したとのことで、またまた変更になった。

 

今日はO1さんが引き継ぎのため、新しい担当のAさんと同行してやってきた。AさんはたぶんO1さんより年長で、私には経験も豊富に見えた。

 

訪問リハビリは3人のうち、主になる受け持ちがリハビリ計画を立案し、その計画に沿ってリハビリを行っている。昨年まではそれが土曜日担当のSさんだったけれど、今年から火曜日担当のYさんになった。

 

3人はどの部分を強化していくのかという基本方針は共有しているけれど、全く同じことをするわけではなく、それぞれのPTによって多少の違いはある。以前、O1さんから変更になった金曜日担当のO2さんは殆どO1さんと同じ内容だけれど、それはO2さんがO1さんより私が思うには若く、訪問の経験がなかったせいではないかと思っている。

 

訪問リハビリは1回2単位で40分間のリハビリだ。

その40分間のうち最後の5分から10分間は3人とも4点杖を使用した歩行訓練の時間に充てている。歩くコースは夫の状態や残り時間や天候などによって違うけれど、どんな日にも段差訓練は組み込んである。段差は15㎝位の玄関の上がり框や外の階段であったり、室内に準備した5センチぐらいの板の上り下りだったりで。

 

段差を上る時、基本的には健側から上り、下りる時には患側から下りる。それが基本だ。ただ、PTによっては低い段を上る時、意識的に患側から上ることがあるらしいと、夫がまだ歩行訓練を開始する前に読んだPTのブログから知った。

 

移動になったSさんとYさんは基本通り健側から上る。そして夫にも「上る時にはいいほうの足からですよ」と指導している。でもO1さんは患側から上っていた。初めてO1さんの段差訓練を受けた時、基本を知らないとは思えず「おそらく意識的に患側から上るのだろう」と思った。段差を上る時に健側から上るのは看護師の私でも知っているような基本中の基本だし、足を痛めた時にも階段を上る時にはいい方の足から上っているのだから。

 

O1さんから引き継いだO2さんも同じように患側から上るよう指導する。

O1さんは夫が段差を上る時、患側を出すように強く誘導するので夫は誘導されたように足を出す。O2さんはそこまでの誘導をしないものだから夫は基本通り健側から上ろうとする。すると「違う方からですよ」と言うのだ。実はその時点でちょっと不安になった。今までPTが間違って覚えているとは思いもせず、意識的に患側の強化のためだと思ってきた。でも「違う」と言われると「間違って覚えているのかも・・・」と思い始め、ちょっと戸惑ってしまった。

 

で、年末に移動になる前のSさんに相談した。(当時はメインの受け持ちがSさんだったから)今年からYさん、O1さん、O2さんになり、そのうちの2人が患側から上ると戸惑いそうだったので。

Sさんは健側から上るのが基本であること、患側の強化のため患側から上るという考え方もあることを話したうえで「戸惑うようなら統一するようにしましょうか・・・」と言った。けれど、現実はそのままになってしまった。

それでは、O2さんの時に「違う方からですよ」と言われたら、その時は「上る時はいい方の足からと言われているものですから・・・」と言ってみるつもりでいた。でも、昨日はO2さんが休み、急遽Yさんが代わりに来てくれたので言えなかった。

 

今日はO1さんがリハビリをし、Aさんがそれを見学するというものだった。

室内の5㎝ほどの段差を上る時、O1さんは今まで通り患側から上るよう夫を誘導し、夫は患側から上った。するとAさんは明らかに怪訝な顔をした。そして、段差を下り、数歩進んだところでOIさんに「先ほど右足から(患側)上ったけれど、何か意味があるのですか?」と聞いた。すると、O1さんは「右からです」と言った。Aさんが聞いた意味の答えにはなっていなかったけれど、とにかくきっぱりと言い切ったのだ。Aさんはそれ以上何も言うことはなく、リハビリは終了した。

その時、私はのどまで言葉が出かかったけれど、結局何も言えなかった。

 

今日、Aさんにきっぱり言い切ったその言い方を聞いて、O1さんも患側の強化のために患側から上っていたとは思えなくなった。O1さんから引き継いだO2さんはもちろん。

 

今まで、今日のAさんのように「患側から上る意味」を聞いてみればよかったと思う。O2さんが来てくれるようになってから2か月ぐらいの間、聞こうかどうしようか、言いにくいけれど言ってみようか、どんな言葉で言ったらいいのか・・・と、悶々としていたのだから。だけど、やっぱり言いにくくて言えなかった。で、思い切ってSさんに言ってみたのだけれど伝わることなく移動してしまった。だから今日までズルズルとしてしまった。

 

今日、Aさんが聞いてくれたことで自分の中に風穴を開けてくれたような気がしている。来週の土曜日にはAさんには「段差は健側から上るように指導を受けている」と話せると思う。その前日の金曜日にも、もしも夫が健側から上り、O2さんから「違う方からですよ」と言われたら「段差を上る時には健側からと言われているものですから・・・」と、言えると思う。O2さんはきっと思い込んでいると思うから。

今までズルズルしてしまったけれど、やっと思うことが言えそうで、モヤモヤしていた気持ちも晴れ、何だかとっても気持ちが楽になったような気がしている。