えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

刺激を受けて

夫が元気だったころから日曜日の朝はEテレで始まる。8時の野菜の時間に始まり、趣味の園芸、ようこさんの言葉、日曜美術館へと続く。夫が倒れてからはリアルタイムで見ることができないことのほうが多いので日曜美術館は録画もしている。

 

昨日の日曜美術館は「木版画 未踏の頂へ~吉田博の挑戦~」という内容だった。

私は正直、吉田博さんという画家を知らなかった。だけど、番組の冒頭「あのダイアナ妃が愛した日本の版画があった・・・」と映し出された版画に目を奪われてしまった。作者は吉田博さん。もともとは水彩画・油彩画を描いていたけれど、49歳で木版画の道へ入ったという。

画面に映し出される作品は水彩画も油彩画も版画も驚くほど繊細で素晴らしい作品ばかり。二人とも久しぶりにテレビにくぎ付けになってしまった。そして原画が見たくてたまらなくなった。でも、展覧会は福島。巡回はするものの来年で、しかも久留米市上田市と新宿だった。行きたいけれど、ちょっと遠いから夫と出かけるのは無理だろうと思いながらもネットで調べまくってしまった。

 

そんな日はなんだか絵に関わっていたい。レベルは全く違うけれど、久しぶりに夫にも絵を描いてほしいという気持ちが沸いてきた。

庭に出ると、収穫できるゴーヤが一つ。

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採ってきて、夫に「ゴーヤの絵を描かない?」と聞いてみた。

夫も一緒にテレビを見ていたせいか、ゴーヤを手に取ると、すぐに絵を描くときの目に変わり頷いた。で、描き始めたのだけれど、1枚描いたところでもう昼食の時間になってしまった。

 

昼食の準備をしようと、今度はピーマンを収穫し、夫に見せた。夫はピーマンも手に取り、ゴーヤの横に並べ、またまた絵を描く人の目になった。

 

昼食を食べればそのあとはお昼寝タイムだ。でも私は勝手だから、私のためにもっともっと描いてほしいと思うのだ。で、片付けをしないで道具はそのまま出しておき、お昼寝から目覚めてからも誘導してみた。

本人は思うように描けなくて立ち止まり立ち止まり描いていたけれど、何とかゴーヤを4枚、ピーマンを2枚描いてくれた。私から見ると、一昨年より去年より今年のほうがずっと味が出てきたと思うのだけれど。

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このうれしい1枚を誰かにおすそ分けしたいと思う。

まずは次男に。そして、夫が描くようになるのを楽しみにしていると言ってくれる私の友人と、いつも来てくれる夫の先輩にも。それだけ出しても私の分は残るから。

 

因みに、今日の収穫はトマトが8個。

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これも描いてくれるとうれしいのだけれどね。