えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

病院受診とアンドリュー・ワイエス展と女性たち

昨日は夫の受診日だった。

脳出血で救急搬送されてから5年と10か月。たくさんの後遺症が残ったものの、今は内服治療で落ち着いている。

予約は10時30分、病院に到着したのは10時10分。ちょうどいい時間だ。

いつものように受付を済ませ、車いすに乗ったままでも量れる体重計で体重測定を済ませ、脳外科の前で待った。すると、次の次には呼んでもらえた。

いつも、医師が「お変わりなかったですか?」と聞き、私が「はい」と答えたら、次回の受診日を言われ、最後に医師からもう一言あってそれでおしまいだ。最近は、降圧剤と抗けいれん薬を内服しているので私のほうから血圧の状態とけいれん発作を起こすことはないことを伝えるようにしているけれど、それでも1分もかからないぐらいで診察は終了する。昨日も予約時間より5分も早く終了した。だからと言って医師に不満があるわけではない。医師は夫の目をしっかり見ながら話してくれるし、最後は「脱水にならないように水分をしっかりとってくださいね」と声掛けもあった。だから、落ち着いているということはこんなものなのだろうと思いながら「1分足らずで診察が終了するのは良いことなのだ」と思うようにしている。

 

地元の美術館では16日から「アンドリュー・ワイエス 水彩画・素描展」を開催している。

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今まで、有料の企画展を観に行ってがっかりしたことはない。だから、今回も観に行きたいと思い、いつ行こうかと考えていた。8月21日まで開催しているとはいえ、思うように動けないと、いつ行こうかと悩んでいるうちに機会を逸してしまうことがある。

 

受診日はデイケアを休むことにしている。そして、美術館に行くのはできれば平日のほうがいい。昨日は診察が早く終わったし、お天気も悪くなかった。なので、病院帰りに美術館へ行くことにした。

 

アンドリュー・ワイエスは以前どこかの美術館で見たことがある。水彩画というジャンルは柔らかくて、優しくて、好きな絵が多いけれど、ワイエスの絵はちょっと違う。パンフレットに「迫真的な写実技法によって、身近な人物や風景をモティーフにノスタルジックで寂寥感ただよう独特の風景世界を表現・・・」とあるように、どこか寂しいし、ちょっと暗い。だけど、なんだか引き付けられる。描かれた牛からは触ったときの感覚まで伝わってくるような気がするし、穀物袋や板塀を描いた作品も同じ。風景画には私自身がその中にいるような感覚すら感じるのだ。迫真的な写実技法がそう感じさせるのかもしれないけれど、とにかく不思議な魅力を感じる作品だ。

 

16日から始まったばかりのせいか、平日なのに会場には思った以上の人が観に来ていた。それはいいことなのだけれど、私たちの前で観ていた4人の女性たちのおしゃべりにちょっと閉口した。その人たちと離れてから近くで観ていた2人の女性たちにも。まあ、絵に関するおしゃべりだったし、みんな大きな声というわけではなかったのだけれど、とっても気になった。やっぱり静かに観たいから。