えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

欠乏症と言われて

先週の木曜日、友人から携帯にメールが入った。

 

4月から月に2回、市民館で開催される「ふれあい音楽会」に一緒に行っていたのだけれど、ふれあい音楽会が8月はお休みなので7月の末から会っていない。

 

メールには「元気にしてる?」から始まり、自分の毎日の様子が書いてあり、最後には「しばらく会っていないから〇〇欠乏症になりそうです。時間が取れるようならランチでもいかが・・・」とあった。もちろん、〇〇の中に入るのは私の名前。

 

メールの発信時間を見ると午前中の9時30分ごろ。

気づいていればすぐに電話をするのだけれど、その時間は夫がデイケアに出かけた後で草取りをしている真っ最中だった。そのあとシャワーを浴び、携帯を持たずに(忘れて)外出し、帰宅したのが3時30分ごろ。メールに気づいたのはもう夕方の4時頃だった。すぐに返信はしたけれど、その日はもう会っておしゃべりできる時間はなかった。

  

友人は私が自由が利かない身だと知っている。だから、自分から誘うことは滅多にない。私も自由に動ける月・水・木にはやりたいこと(やらなければいけないこと)や行きたいところ(行かなけれなならないところ)が山ほどあって、滅多に自分から友人を誘うことがない。一人では行き難い喫茶店のギャラリーへ行きたいときには誘うことはあるけれど。それも最近では出かけたついでに一人で行くことのほうが増えている。

 

女同士のおしゃべりは他愛もないものばかり。彼女とも日常の些細なことばかりで、食べ物の話、本の話、洋裁に編み物に手芸の話、どこに行った、何を買った、社会の話、体のことや家族の話・・・と尽きることがない。そんな他愛もないことばかりだけれど、「〇〇欠乏症になりそう」などという嬉しくなるような言葉の中にはしばらく会っていない間に何か心に溜まることでもあったのかもしれないとも思った。私とおしゃべりしたいという抑えられないものがあってメールをくれたとしても11歳も年下の私には聞くことしかできないけれど。

 

昨日は木曜日に出かけた先で手作り展の案内状を見つけたものだから、食材の買い出しのついでに一人で出かける予定だった。手作り展と言っても、喫茶店のギャラリーで行われる手作り品の展示即売会みたいなもの。買いたいものがあるわけではないけれど、ネットで見るとステキな洋服やバッグや小物がたくさん展示してあり、そんなものを作りたくてたまらない私にはかなり刺激的だった。

 

でも「〇〇欠乏症になりそうです」なんて言われたら、このところ草取りばかりしていて誰とも会っていなかった私もおしゃべりがしたくなった。だけど、手作り展にも行ってみたい。

というわけで、昨日は友人を誘い、手作り展に行ってきた。彼女は洋裁も編み物も手仕事ならなんでもできる人なので二つ返事で付き合ってくれた。

もちろん、そこでたっぷりおしゃべり。そのあと彼女の家でまたまたおしゃべり。ランチにも行きおしゃべり。また彼女の家に戻りおしゃべり・・・

思った通り、心に溜まるものがあってそれを吐き出したいという思いがあったようだ。人に話すときにはもうすでに自分自身で結論は決めているものだ。だから私は聴くだけのことだけれど、気持ちがすっきりしたかどうかは分からない。

次に会うのはたぶん9月のふれあい音楽会の時。それまではきっと大丈夫だと思うけれど、欠乏症になったらいつだっておしゃべりのお付き合いぐらいはいたしますよ。