えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

やる気が起きない日

今日は秋分の日。

暦の上では祝日だけど、夫の通うデイケアは通常通り。なので、夫は今日もデイケアに出かけて行った。

 

夫が出かける時には空は曇っていたけれど、雨は降っていなかった。それなのに出かけると同時に降り始め、1日中降り続いていた。

 

このところ台風と秋雨前線の影響で不安定なお天気が続いている。だけど、昨日は台風が通り過ぎたばかりで雨が降ることはなかった。だから、午前中は台風の跡片付けや庭仕事をし、そのあとも本屋さんへ行ったり、ドラッグストアに行ったりと目いっぱい動き回っていた。

 

今日もそのつもりでいた。それなのに夫が出かけると同時に雨が降り出したのだ。

そうしたら一気に気持ちが沈み、やる気も失せてしまった。そうなったらもう自分自身では手が付けられない。

部屋の中をうろうろ・・・

 ぼーっとしながら窓から外を眺めると、昨日はまだつぼみだった彼岸花が咲いていた。

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 近くで見ようとちょっと外に出てみると、写真にはうまく写ってなかったけれど、軒にはクモが芸術的な巣を張り巡らし、獲物を待っていた。寸でのところで私が獲物になるところだった。 

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部屋に戻ってまたうろうろ・・・

「片付けでもすればいいのに」 と思いながらもどうしてもやる気が出てこない。こういう日はダメなのはわかっている。

 

ゴロっとなってみても落ち着かない。

この間、友人が「もう読んでしまったからあげる」と言ってくれた文藝春秋の9月号と婦人公論が机の上に置いてある。文藝春秋は昔父がよく読んでいた雑誌なので私も時々読んでいた。婦人公論のほうは20代のころにはよく読んでいたけれど、今では図書館で手に取ることがあるぐらい。今では2冊とも買ってまで読むことはなくなっていた。 

 

その文藝春秋には毎年芥川賞の受賞作品が掲載される。それが9月号。その「 コンビニ人間」が読みたくてもらってきたというのに、いただいた時にちらっと拾い読みしただけで、そのまま机の肥やしになっていた。

 

最近はじっくり本を読むことができなくなった。途中いいところで中断しなければならなかったㇼするので手に取るのは短編やエッセイばかりだ。

 

今日は途中で中断されることはない。本だったらゴロゴロしながらだって読むことができる。そう思ったら「コンビニ人間」のページを開き、一気に読んでしまった。

 

普通って何だろう。常識って何だろう。皆と同じだと安心するタイプではない自分もひょっとしたら異端者で、あちら側の人間なのかもしれない。

読みやすかったし、おもしろい小説だったけれど、ちょっと怖くもあった。

 

読み終えると、知らず知らずのうちに体が動き始め、特に何をしたということはないけど、気持ちは介護者でもある主婦にもどっていた。