数日前、見慣れた文字の封書が届いた。
働いていた頃の同僚からだ。同僚と言っても私よりはるかに若い。
封を開けると、中には手紙のほかに絵はがきが3枚入っていた。
職場には役職者の会があり、年に一度、この時期に1泊旅行に出かけている。
今年は伊豆・箱根に行ってきたそうで、そこで絵はがきを見たら私のことを思い出して買ってきてくれたという。そういえば、去年は竹田城跡の幻想的な絵はがきをいただいたのだった。
彼女とは私が退職してから会っていない。だけど、仕事ができる彼女にも苦手分野があり、退職後も数回メールで相談に乗っていた。そうはいっても私には大したことができるわけでもなく、ほんの少しアドバイスをしただけだけれど。あとは年賀状だけのお付き合いだ。
それなのに、旅行に出かけた先で絵はがきを見つけたら、絵はがきが大好きな私のことを思い出してくれるなんて。それだけでもうれしいことだけれど、それを買って送ってくれるなんて何と幸せなことだろう。退職してすでに5年以上経つというのに。うれしいを通り越し、感謝・感謝の思いで何度も絵はがきを眺めている。