えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

手作り展で

木曜日のこと。

友人と喫茶店のギャラリーへ「手作り展」を見に行った。

手作りといってもいろいろだけれど、その方はニット服やパッチワークのバック、ビーズアクセサリー、小銭入れやカードケース、人形などの布小物などの洋裁や手芸の分野のもの。そして、それらは展示だけではなく販売もする。と言っても商売色の強いものではない。

 

その方の手作り展に行くのは3回目で、初めて行ったのはちょうど1年前。そして2回目は半年前のこと。

 

そこの喫茶店は水曜日が定休日なので会期は木曜日から翌週の火曜日までの1週間。

初めて行った時はたぶん月曜日だったと思う。記憶が定かではないけれど、今思うと、もうかなり売れてしまった後だったのだろう。展示品の数は思ったほど多くはなかった。

でも、友人はチュニックを1着購入し、私は小銭入れにしてもアクセサリー入れにしてもいいようなパッチワークにビーズをあしらった布小物を1つ購入した。

 

2回目に行ったのは初日の木曜日。友人の昼休憩に合わせてランチがてら出かけた。まだ初日だったせいかパッチワークのバックも何点かあり、前回よりも展示品は多かったような気がした。

友人はチュニックやビーズアクセサリーを数点購入し、私はニットのコートとパッチワークの斜め掛けショルダーとかわいいねこちゃんのパッチワークというかアップリケをしたペンケースのようなものを購入した。

そのコートがすごく着やすくて冬の間中毎日のように着ていた。斜め掛けショルダーはもう少し大きいものが欲しかったけれど、あまりにステキだったので中身を整理すれば使えるだろうと思い購入した。で、その後は見事に私のお気に入りに殿堂入りし、毎日のように使っている。ペンケースのようなものは孫が気に入ったのでプレゼントした。

 

こうしていくつか購入してはいるけれど、私が手作り展に行くのはモノが欲しいからというわけではない。絵や書や写真を見たいと思うように手作りのものが見たいからだ。特に好きなモノはバックとかポーチとか巾着などの布小物。本当は自分で作りたくて、どんな布を使い、どんなふうにデザインし、どうやって作っているのだろうと、見ていると興味は尽きないのだ。家では衣装ケースに入れてある山のような布を出したりしまったり、本を眺めたり・・・と、作らないけれど毎日のように楽しんでいる。

 

でも、今回はいただいた案内状に載せてあったパッチワークのバックが目に留まり欲しいと思った。なので、初日の開始時間に合わせて行くことにした。

 

喫茶店の開店時間は9時。手作り展は10時からと案内状に書いてあったので9時30分ごろ喫茶店に行き、お茶してからギャラリーの方に行こうと思っていた。

私たちが喫茶店に着いたのが9時40分ぐらいだったと思う。お店の方に「10時からですよね」と聞くと「はい。今、作家さんが準備しています」 と言われたので予定通りお茶を飲みながら待つことにした。その時、私たちのほかにも2組の人たちがコーヒーを飲みながらギャラリーの開始を待っていた。

 

ところが、ところが、10時にならないうちに何組もの人たちがお店に入ってきて、みんなギャラリーの方に入っていくではありませんか。

 

私たちはコーヒーがきたばかりだったので飲み終えてからギャラリーに行くと、会計を済ませている人、展示品を抱えている人でちょっとオーバーな言い方をすればごった返していた。そして、パッチワークのバックはもう一つも残っていなかった。

 

私が欲しいと思っていたバックはまだ会計はされていなかったものの他の人の手にあった。それは写真で見るよりずっとずっとステキで残念でならなかった。その人はバックを持ったままいつまでも他の展示品を見たり、友人らしき人にそのバックを見せたりしていてなかなか会計をしようとしなかった。

私は会計が済んでしまえば諦められるのだけれど、済まないうちは諦めきれず、その人をちらちら見ながら他の展示品を見ていた。その間にチュニックを1着購入して。

 

 どのぐらい時間が経っただろうか・・・

その人がバックを元の位置に戻したのだ。私はすかさずそのバックを手に取り、友人に「戻したんだから私が買っていいよね」と言いながらすぐに会計を済ませた。

私が欲しがっていたことを知っていた作家さんは「あなた、今日はついているわね。宝くじを買うと当たるかもしれないわよ」と、冗談を言いながら一緒に喜んでくれた。

そのすぐあと、バックを手放した方が革の財布を手にし、会計をするために作家さんのところに来た。そして、私に「それ買ったの?」と言った。

私は何だか悪いことでもしたかのようにどぎまぎしてしまったけれど「ええ。ごめんなさい」と、謝ることではないけれど、そう答えておいた。たぶん、欲しかったものが手に入りにこにこ顔だったと思う。

そして、他にも孫が喜びそうなかわいらしいうさちゃんを1つ買い、手作り展を後にした。

バックはまだ使ってはいないけれど、うれしくて、うれしくて、毎日眺めては超・超・超・ご機嫌でいる。