今日は朝から今にも雨が降り出しそうな空模様。
窓から見える景色は薄暗く、寒そうというより寂しそう・・・
こんな日は気分的にいけない。特に休日だと尚更いけない。
昼ごろから雨が降り出したけど、シトシト、シトシト・・・
しかも、降ったり止んだり。
もう少しザーザーと降るか、夜になってしまえば気持は落ち着くだろうけど、シトシトだと気持は何も変わらない。
もちろん、被害が出るほど降ってもらっては困るけど、普通に「恵みの雨だ」って喜ばれるぐらいの降り方だと、不思議と寂しい気持ちにはならないんだけどね・・・
こんな日はいつも、えむこは柴田トヨさんのことを思い出すのです。
トヨさんのことを初めて知ったのは2010年の7月、朝日新聞の天声人語でした。
トヨさんは当時98歳の詩人と言われ、産経新聞の「朝の詩」や下野新聞掲載された詩と未発表の詩を収録した詩集「くじけないで」が発売され評判を呼んでいたのです。
そのあと新聞の投書欄に「くじけないで」を読んで励まされたという投稿記事も掲載されたのです。
その時、えむこは記事を切り抜いていたので興味はあったのですよね。
でも、詩集を買って読むことはありませんでした。
それが2011年の正月だったと思うけど・・・
夫が入院中の回復期リハビリ病院の病室で、たまたまつけたテレビ(NHK)でトヨさんの特集を観たのです。
えむこはそこで聞いたトヨさんの詩に釘づけになってしまったのです。
すぐに「くじけないで」を買いに行き、読んで、ホントに励まされた思いだったのです。
著作権のことがあるから全部は書けないけれど・・・
例えば「朝はくる」という詩
一人で生きていく と 決めた時から 強い女性になったの でも 大勢の人が 手をさしのべてくれた 素直に甘えることも 勇気だと わかったわ と続き、そして朝はかならずやってくると・・・
(一人はえむこに置き換えれば障害が残ってしまった夫と二人だったのですね)
「自分に」という詩
ぽたぽたと 蛇口から落ちる涙は 止まらない・・・
・・・だめ
思いきり 蛇口をひねって 一気に涙を 流してしまうの・・・
(その当時のえむこは涙が枯れることなんてなかったの)
夫が脳出血で倒れて以来、夫のことを考えては涙して、これからのことを考えては不安な気持ちと戦い、暗闇の世界に入り込んで抜け出せなくなっていたえむこ。
そんなえむこをやっぱり救ってくれたのだと思っているのです。
それで、なんで今日のような日にトヨさんのことを思い出すかというと・・・
「さみしくなったら」という詩
さみしくなった時 戸の隙間から 入る陽射しを 手にすくって 何度も顔に あててみるの・・・
その詩を読んだ時、「98歳のトヨさんは陽射しが出ている時も寂しのだ・・・」って思ったからかな。
えむこは明るい太陽が出ている時に寂しくなるなんてことは滅多にないのです。
だから、こんな日は・・・
自分も寂しくなってくるけど「トヨさんはどうだろう」なんて、思うのです。
戸の隙間から入ってくる陽射しはないからね。
今日はなんだか夫も暗い顔をしてるから、えむこは夫を笑わせようと空元気を出しているのですよ。
空元気でも出せるようならまだいいよね。
柴田トヨさんの詩、とっても素晴らしいと思います。