えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

年賀状もリハビリ

今年も年賀状の時期がやって来た。

結婚してから夫が倒れるまでの間、年賀状はいつも夫の役割だった。アイデアは二人で出しあって決めるのだけれど。

版画の時あり、直筆の絵の時あり、プリントゴッコが発売されてからはいつもプリントゴッコを使い、それでも一部には絵筆で色を足しながら作成していた。

 

2010年の9月末に夫が脳出血で倒れ、2011年の正月はまだ入院中だった。当然、年賀状のことなど頭にはなく、その年は出さなかった。そして、届いた年賀状に返事を書くこともなく月日は過ぎて行った。

翌2012年も年賀状を出そうという気になれず、出さなかった。だけど、前年に出さなかったにもかかわらず、たくさんの年賀状が届いた。さすがに放っては置けなくなり、夫の了承を得て、状況を書き添え 寒中見舞いの形で返事を出した。

そして去年の12月は迷った。このまま出さず年賀状はやめてしまおうかと。

こちらが出さなくても、多分いくらかの年賀状は届くと思う。そう思うと、どうしたものかと考えてしまい、夫に「ヘビの絵を描いてくれない?」と言ってみた。印刷にだけはする気にはならなかったから。

だけど、夫は描くことができなかった。それで、以前の年賀状をリメイクして届いた人にだけ出すことにした。

そして、今年もどうしようかと迷っていた。だけど、最近は少しづつ絵を描くようになってきている。それで「馬の絵を描いてくれる?」と何回か聞いてみた。すると、今年はその度に首を縦に頷いたのだ。

それで今年は年賀状を出すことに決め、この間50枚だけ買ってきた。

そして、この間からスケッチブックに馬の絵を描く練習を始めた。

夫と構図を決め、墨を磨り、まずは絵手紙用のハガキに描いてみた。次はそのハガキに色付けをして年頭の言葉を決めた。

ただ、全て手描きは大変なので、馬の輪郭だけをハガキに描き、それをスキャナで取込み年賀状に印刷、そして彩色は一枚一枚手描きすることにした。年頭の言葉はハンコを掘って押し、私が一言、近況を添えようと思っている。

そして今日、先ずは10枚だけ色を塗ってみた。全て同じにはならないけれど、それがいい。こうして絵を描き、色を塗ること、これも夫にとってはリハビリになるのだから。

 

ホントは年賀状なんてどうでもいいと思っている。

年賀状は生存確認だという人がいるけれど、私は誰かに生存確認をされたいとも思っていないし、年賀状で生存確認したい人もいない。

ただ、一年に一度でも私たちのことを思い出し年賀状を下さる人には、私たちも思い出しながら出そうと思っているだけ。

それと、今までは作る楽しみがあったけれど、今はリハビリだと思って年賀状を作成している。まあ、楽しくもあるのだけれど。

時間をかけて、夫と絵の話や友人の話をしながら。

それもリハビリにつながると思うから・・・