えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

今日の1日

我家の朝は恥ずかしいぐらい遅い。

だから、朝食を済ませ、掃除と洗濯を済ませれば、もう11時20分の訪問リハビリの時間になってしまう。

そして、12時にリハビリが終われば、いくら遅い朝食だったとしても昼食を食べ、どれだけ朝遅く起きたとしても、夫は大抵1時~2時頃にはお昼寝の態勢に入る。

それでも時々、どんなに眠そうに見えても、寝たくないオーラを出しまくる日がある。

今日はそんな日だった。

お昼寝しなければ私の自由時間はなくなるけれど、そんな日は夜が早いから無理に寝かせることはないと思っている。

 

窓から外をぼ~っと眺めている夫に「どこかに行きたいの?」と聞いてみると首を縦に頷いた。

空はこんな雲。

北の空はもっともっと真っ黒けで、雨か雪でも降りそうな気配。

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「寒いよ。いいの?」と言ってみてもやっぱり首を縦に頷いている。

「どこに行きたい? 市民展を観に行く?」 と聞くと、また頷いた。

それで、この間の水曜日に雨で行けなかった市民展を観に行くことにした。明日までしかやってないから、今日・明日のうちには行きたいと思っていたので、よかったといえばよかったのだけど。

市民展は写真と書はすでに先週で終了し、今は彫刻と絵画の部。

地元にもたくさんの作家がいるようで、かなり多くの作品が展示してある。ま失礼を承知で言うならば、作品はいろいろ。だけど、それなりには楽しめると思う。

だけど、ちょっと残念だったのは、前年までに比べ今年は彫刻の作品が少なかったこと。前年まで彫刻の審査員をされていた夫の小学時代の先生の作品もなかったこと。それが一番楽しみだったぐらいなのに。まあ、時代は移り変わっているのだから仕方がないことだとは思うけれど。

 

美術館のあとはいつもティータイムにしている。これも外出時の楽しみの一つだから。

それで、今日も三の丸会館でお抹茶を飲むことにした。

 

美術館を出ると、市役所とNHKの支局が見える。

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三の丸会館までの道中はすっかり冬木立。 

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南京ハゼは紅葉もきれいだけど、葉が落ちた後も白い実がいいよね。 

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はだかんぼうになった冬木立って、寒そうだけど、何だかステキ。

夕暮れ時、空が赤く染まった時の冬木立は影絵のようで私の大好きな景色。 

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こんな景色を眺めながら三の丸会館へ行くと、正面にはもう門松が立ててあった。こういうのを見ると「もうすぐお正月なんだ」と改めて思う。

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 写真はないけれど、今日は百木(ももき)というお菓子だった。

せんべい党の私は、こんな時しか甘いお菓子は食べないけれど、お抹茶に和菓子もたまにはいいものだと思う。

 

夫と二人でお抹茶を飲んでいたら、私たちぐらいの年恰好の男性が一人で入ってきた。

その方はお抹茶を飲み終えると「車いすでも来ることができていいですね」と、私たちに話しかけてきた。そして、何年も前にお父さんが脳梗塞で亡くなられたこと。自分も長年介護をしていたこと。生前、車いすを使っていたこと。自分も「こうして連れてきてあげればよかった」と話され、夫に「いろいろな所に行けるといいですね」と言い、帰られた。

それだけの何気ない会話だったけれど、夫は嬉しそうににこにこ顔で頷いていた。

ただそれだけなのに、私も励まされたようで、褒められたようで、認められたようで、何だか嬉しい気持ちになっていた。そして、「また頑張ろう」という気持ちが自然に湧いて出てきた。