えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

花より団子の方が必要だから

結婚した当時、僅かばかりでも自由になる庭があることが嬉しくて、木や花を植えては楽しんでいた。そして、家の裏は親戚の空地だったので、そこでは野菜作りもしていた。全くの素人なので買った方が安いぐらいだったけれど。

6年後、今のところに引越してからは、庭仕事は夫の両親の楽しみだったこともあり、私は見る人に徹していた。

義父は義母が言うがままに手伝わされているように見えたけれど、それでも木々の剪定や刈り込み、消毒は義父の担当で、いつも準備から片付けまで一人で黙々と作業していた。

義父が亡くなってからは、その役割が夫に変った。義母は上手に夫を操り、やらせていたのだけれど、夫もまた、母親の頼みは何でも聞いてあげようとしていたのだと思う。

おかげで、家のことは何でもできる夫に変ったのだと、義母には感謝したぐらいだ。

ただ、義父は黙々と自分の役割を一人でこなしていたけれど、夫は剪定後の片づけや、私にできることは何でも私に手伝わせようとした。

義母は年を重ねるにつれ、庭仕事ができなくなった。だけど、その頃には、私たちも庭木の手入れがきつくなりはじめていた。それで、庭木や花を減らし、野菜畑中心の庭に変えていった。

そうすると、夫は野菜づくりに目覚めたように夢中になりはじめた。私はと言うと「夫、作る人。私、食べる人」と言い放ち、庭仕事は夫に任せっきりになった。

夫は時間を見つけては少し残した植木の剪定や消毒、生垣の刈り込みをし、野菜畑の土の準備や植え付け、追肥・・・と、忙しくしていた。もちろん、庭の草取りも夫の役割になったので。

それが、夫が倒れてしまってからは全てが私の肩にかかってきた。だけど、私一人では手に負えないことばかり。それで、去年は初めて、生垣はシルバー人材センターに依頼した。野菜は一時兄が植えていたけれど、今は殆ど作っていない。ネギとニラとグリーンアスパラがそのままになっているぐらい。

問題は草取り。生命力あふれる雑草に手を焼いている。時々、「全部コンクリートで固めたい!!」と叫びたくなるけれど、コンクリートにするにはお金がかかる。それに、夫は倒れる前に「土地も息をしているから、コンクリートで固めてはだめだ」と言っていた。

だけど、荒れた庭を見るとため息が出てくる。

 

今日は風もなく暖かないい日だった。

金曜日は午後から訪問リハビリなのでどこにも出かける予定はない。午前中は私が忙しいし、訪問リハビリが終われば夫はクタクタで必ずお昼寝をしているから。

それで、今日のお昼寝中は散歩を止めて、庭仕事をすることにした。庭仕事といっても草取りだけど。

枯れたように見える草の下には緑色の小さな草がいっぱい生えている。今のうちから取っておかないと、もう少し暖かくなったら手におえない状況が目に浮かんでくる。

「草をとっていると無心になれる」と夫も元同僚のS子ちゃんも言っていた。だけど、私は無心になんかなれないで、考えなくていいことばかり考えてしまう。

そうは言いながら「この庭を花いっぱいにしてやろうかな」なんて、考え始めた。花を見れば心が和み癒してくれることは間違いないことだから。それに、却って草が気にならなくなるかもしれないし。

でも、でも、花にはお金がかかるんだった。肥料もたっぷり必要になるし。

今は花よりも人間さまの団子の方が必要だ。やっぱり、花は外で楽しませてもらうことにして、私は草取りに精を出すことにしよう。

今日の成果は45㍑のビニール袋一袋。自分自身にお疲れさま!!