えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

気ままな旅に出かけたい

今日は3月1日。

朝、カレンダーをめくりながら「今日から青春18きっぷが使えるんだ・・・」と、しばらくカレンダーを眺めていた。

夫が倒れる前、私たちは青春18きっぷを使い、二人でよく旅に出た。新幹線や特急もいいけれど、私たちは青春18きっぷで出かけることの方が気に入っていた。もちろん安いということもあるけれど、切符を提示するだけで自由に乗り降りができるという気ままさや自由さ、そしてゆっくりとした電車の旅にひかれていたのだと思う。

ある時は倉敷・姫路・京都・奈良・・・へと西へ行き、湖西線に乗って琵琶湖をぐるっと廻るなんてこともあった。またある時は横浜・鎌倉・東京・・・へと東へ行き、帰りに真鶴の中川一政美術館に寄ったり。そして、北へ向かう時には中央線や高山本線を使って長野・岐阜方面へと。目的地に行くだけでなく、途中下車しては電車を乗り継ぎ、気ままな旅を楽しんでいた。

当時は夫の母の介護が必要だったのでせいぜい1泊までしかできなかったけれど、それでも十分遠くまで行くことができた。

そしていつも「私が完全に仕事を辞めたら、もっと旅行に行こうね」と、二人で話していた。義母を送ってからでないと何泊もすることはできないにしても、お互いに行きたいところは山ほどあったから。

それなのに、私がまだ仕事を辞める前に、義母を送る前に、夫は脳出血で倒れてしまったのだ。

だからたぶん、もうあんな気ままな旅には出られないような気がする。

それでも、ここのところ何回も書いているように今月中には新幹線に乗って横浜に行く予定でいる。

行けるようになっただけでもうれしいことではあるけれど、それは決して気ままな旅ではなく、綿密に立てた計画通りのものなのだ。

新幹線の切符もとった。ホテルは何件も電話で確認し、車いすの夫にとっていいと思われるところに決めた。

昼食はどうするか、夕食はどこで。車いすで入れるお店は・・・

乗換駅のトイレに位置は、エレベーターは・・・

ネットで駅情報やバリアフリー情報を検索してはプリントアウトしている。

日本国内なので「お金さえ持っていれば何とでもなるだろう」と思いながらも、綿密に立てた計画をしっかりと頭に叩き込み、毎日疲れるほど頭の中でシュミレーションをしている。

あ~、思い立ったら細かいことなんか考えることなく、気ままに旅へ出かけたい。

今は綿密に立てた計画通りの旅行でも、新幹線でも、行けるだけでうれしいことだと思っている。だけど、いずれは気ままに出かけることができる日がやってくるだろうか。

そんな日がくることを私はとっても待ち望んでいるんだけれど・・・