えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

リハビリも物理学なのだ

義母から「えむこさんは力持ちだね」と、言われたことがある。そのことは前に書いたことがあるけれど、決して私が力持ちだったわけではない。

 

夫が倒れてから、義母にはショートステイを利用してもらうようになった。

ショートステイには何か月も前から申し込んでいる人が多く、そうそう空きがないのが現状だ。だけど、切迫した特殊な事情だったので、ケアマネが奮闘してくれ、何とか利用できるようになった。

だけど、空いているところに入れてもらったので、数日間ショートステイを使い、また1日、2日、家に戻るという日々の繰り返しだった。まあ、ショートステイは連続しての利用は30日が限度で、それ以上になると10割負担になるものだから、ずっとショートステイで過ごすわけにはいかないのだけれど。

当時、私は仕事をしていたので、義母が家にいる日の日中は義姉にお願いしていた。

当時の義母はトイレの介助が必要だったけれど、頭はしっかりしていたので2時間ぐらいは一人で過ごすことができた。だから、近くに住む義姉は自分の家と我家を何回か往復しながら義母の介護を手伝ってくれた。もちろん、夜や休日には私が介護をしていた。そして、ショートステイの送迎時間に義姉の都合がつかない時には義弟が協力してくれた。

義姉がトイレ介助する時や、二人が車いすに移動介助をする時にはかなり大変だったらしい。義母の「私が重いから、二人とも大変でね」という言葉から、双方が大変だったのが伝わってきた。

それで、冒頭の言葉が出てきたのだ。

その時「私は看護師だからね」と言うと、皆に迷惑をかけていると気兼ねしていた義母は「コツがあるんだね」と言いながら、にこっと笑ってくれた。

そう、看護行為はコツというより物理学(力学)なのだ。

体位変換や患者さんをベッドから起こす方法、立ってもらう方法、そして自分自身の腰への負担をかけない方法も。

例えば、仰臥位になっている義母に横向きになってもらうには、まず膝を立ててもらい、顔は私の方に向いてもらう。次に腕を胸に置いてもらい、立てた膝と上になる側の肩を持ち、膝を自分側に引き寄せれば肩も自然についてきて、力を入れなくても簡単に横向きになってもらえるのだ。同じように座位になってもらう方法や立位になってもらう方法もてこの原理を使って小さな力でも効果的に介助ができるのだ。

 

今日は夫の訪問リハビリだった。

担当PTはYさん。今日は長男の家に行く予定の私たちのために20㌢の段を持ってきてくれた。

今までは5㌢の段差の訓練しかしたことがないけれど、介助しながらでも20㌢の段差をクリアしたいと願う私の介助方法も交えながらのリハビリだった。

Yさんのリハビリはいつも基本に則り、しっかりと言葉で教えてくれる。

夫自身が仰臥位から座位になる時の方法、立位になる方法、車いすに移動する方法、4点杖歩行時、5㌢の段差を上る方法、降りる方法。そして、手の位置、足の位置、頭の位置、4点杖の位置、体の重心の位置、体重のかけ方等など。原理原則に則って、ものすごく分かりやすく教えてくれるのだ。

今日も20㌢の段差の訓練をした時にそう思った。

うまく説明できないけれど、頭の位置と足の位置による力のかかり具合や、体の位置も含め、こうすればいいという方法を丁寧に教えてくれた。

そうか・・・

看護もそうだけど、リハビリはもっとそうなんだ。

当り前のことなのに、Yさんの説明を聞きながら、それは正に力学なのだと妙に納得している自分がいた。

旅行に行くまであと何回か訪問リハビリがある。今日も帰り際「天気がいい日に外で階段の訓練をしてみましょう」と言ってくれた。

楽しみだな

外で階段が上れるようになれば、もっともっと世界が広がるような気がするから。