えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

褥瘡の危険信号

夫のようにマヒがある者を介護する場合、いろいろ注意しなければならないことがある。

その中の一つに褥瘡(じょくそう)がある。いわゆる寝だこ・床ずれである。

褥瘡は同一部位の圧迫や摩擦やずれによってできる。そのタイムリミットが2時間なのだ。

 

夫の24時間は、ベッドで寝ているか、車いすに座っているかのどちらかだ。

寝ている時には左足を立てて多少は体重移動をしていることがある。車いすの時にはずり下がってしまうと自分で座り直すこともある。だけど、どちらも自分一人で自由に体位を変えることができるというレベルではない。

病院に入院していれば、看護師が2時間ごとに体位変換をし、車いすに乗っている時には15分ごとにヒップアップを行うだろう。

だけど、私は一人介護。

2時間ごと起きて夫の体位変換はできないでいる。それを行おうと思うと、自分自身が眠れない状況に陥ってしまうということもあるけれど、前述したように多少腰を浮かせているところを見ると、そのまま様子をみていいだろうと思っていたのだ。

現に、退院後3年が過ぎたけれど、褥瘡はできたことはなかった。

それが10日ぐらい前、朝起きた時に仙骨部が赤くなっていることに気づいたのだ。

だけど日中、トイレの度に見て見るとその赤味は消えていた。消えていると言うことは褥瘡ではないけれど、危険信号には違いない。とりあえず、仙骨部には寝る前と起床時に白色ワセリンを塗布して様子をみていた。

それで、今のところ赤くなっている日もあるけれど、なんともない日もあるので注意しながら様子をみている。

 

ところが1週間ほど前から、今度は右足の踝の部分が赤く、皮膚が剥けそうになっていたのだ。装具で当たることはないので、やっぱり睡眠中に圧迫されたのだろうか。

心配で、心配で一日に何度も見ている。

だけど、たぶんまだ剥けてはいない。と思う、が・・・

踵や他の部分は大丈夫だ。

 

今まで褥瘡をつくってしまうのは看護師の恥だと思ってきた。

それに一度できてしまうとなかなか治らない。介護するものも大変だけど、本人が辛い思いをすることになる。

 

以前読んだ落合恵子さんの「母に歌う子守唄 わたしの介護日誌」には、2時間ごと体位変換をしていたはずのお母さんに褥瘡ができてしまった時のことが書いてあった。

家を空けることもある彼女はヘルパーを依頼し、ヘルパーにも2時間ごとの体位変換を依頼していたそうだ。だけど、忙しくてしなかったことがあったようで気づかないうちにできていたという。

長時間ヘルパーを依頼することは当然介護保険内ではできない。

だから、毎月25万円ほどの実費を支払いヘルパーを依頼し、2時間ごとの体位変換も依頼していたという。それなのにつくってしまったのだ。

 

我家では全額自己負担でヘルパーなど依頼できない。毎月25万円だなんて我家では生活費以上の額だ。ま、普通はできないと思うけれど。

だけど、褥瘡は作ってはならないと思っている。

 

今日、訪問リハビリのPTに踝のところを見てもらった。

ひどくなるようなら当然皮膚科受診だけれど、とりあえずはふくらはぎのところに枕をかい、踝の圧迫や摩擦やずれがおきないように、アドバイスどおりにしてみることにした。

そして、踝のところにも色ワセリンを塗り、看護師時代に受けた自主研修でもらた創傷用のドレッシング材で皮膚を保護しておいた。ドレッシング材は期限切れだったけれど。

「どうかこれで褥瘡になりませんように・・・」と祈るような気持ちで。