ちょっと暖かくなると、庭の草たちは一気に勢力を増し、我家の庭を占拠してくる。
散歩に出た時、カタバミでもタンポポでもカラスノエンドウでも、花が咲いているのを見つけると「まあ、かわいい」なんて言っているくせに、いざ自分ちの庭で見つけると「花が咲かないうちに取ってしまわないと・・・」と思ってしまうのだ。
花がかわいいからといって、そのままにしておくと、種ができて、それがこぼれたり、綿毛ができて庭中に飛んでしまう。だから、あとのことを考えると、花が咲く前に抜いてしまいたいと思うのだ。
だけど、庭を見渡せば、もう取っても取っても追いつかないぐらいの草が生えてしまった。
それで、今日は夫がデイケアに行っている間中、庭仕事をしようと思っていた。
それが・・・
夫が出かける時、デイケアの送迎車に同乗していた介護士さんが「二川(ふたがわ)伏見稲荷の御衣黄桜が咲き始めたみたいよ」と教えてくれたのだ。
御衣黄桜(ぎょいこうざくら)というのは、蕾は赤色で花が咲くと薄緑色になるという。
この辺りの花好きの人たちはこの時期になると見に行くようだ。だけど、私は一度も見たことがなかったので、冥途の土産に一度は見て見たいと思っていた。
草取りもしたい。というか、しなくちゃならないし・・・
かといって、花は時期を逃したら見ることができないし・・・
で、午前中の約2時間とデイケアから帰って来る前の1時間を草取りに当て、ランチを兼ねて昼休憩の間に見に行くことにした。
境内には15本の御衣黄桜が植えられているそうだ。
これは駐車場の周りに植えられていたもの。
今が一番いい時かも・・・
蕾は赤く、咲くと薄緑。ほんとだ・・・
『この桜は「一生添い遂げる縁起の良い花」と言われている』と、二川伏見稲荷のホームページに書いてあった。
そして、「どうかこの縁起にあやかって幸せにお過ごしください」と。
御衣黄桜を眺めていたら、伏見稲荷の方と思われる方がほかの花のことも教えてくれた。
これは楊貴妃桜だそうだ。
楊貴妃と言う名前がついているだけあって 、さすがに美しい。
品のいいピンク色。
華やかで、やっぱり気品が感じられる。
こちらは関山桜。
八重の大輪。葉がついた状態で咲き始めるそうだ。
これは源平桃。
一本の木に白や紅、ピンクの花を咲かせている。
ちょっと遅いようだけれど、まだまだ見事に咲いていた。
シャガもいっぱい咲いていた。
他にも赤のはなずおう、白のはなずおう、マンサク、アセビと今が見頃の花木がいっぱいだった。
以前、夫の友人が「伏見稲荷はステキな花がいっぱいだから、毎月のように写真を撮りに行っているよ」と言っていたけれど、その気持ちがよく分かる。
草取りは満足いくまでできなかったけれど、二川伏見稲荷では、何回「わ~、ステキ!!」と、心の中で感嘆符が飛び交っただろう。
花の命は短いけれど、来週の半ばごろまでこのままの態が続いてくれないだろうか。
きっと喜ぶと思うから、夫にもこの見事な花を見せてあげたいと思う。
「時間よ止まれ!!」とでも、叫んでみようか。花のところだけでいいから・・・