我家は母屋も離れも築50年ぐらいになる。
義父が生きていた頃、家のメンテナンスは殆ど義父がしていた。
だけど、夫は義父の仕事の出来ばえが「きれいではない」と言い、気にいらず、同居するようになってからは自分でするようになった。
夫は建築に関わる仕事をしていたので大抵のことはできた。その上、手先が器用だったので出来ばえもきれいだった。
それこそ、大工仕事も左官仕事もペンキ塗りも、水道関係のことも・・・
廊下のフローリングは夫が張った。壁も初めは簡単な繊維壁から始め、そのうちには聚楽で塗った。外壁のペンキは定期的に塗り替え、セメントも塗った。他にも水道の蛇口の交換や襖の張替に網戸の張替など等。
だけど、いつだって私に手伝いを命じていた。だから、私も大抵のことは分かる。分かるけれど、一人ではできないことが多いのだ。
夫が倒れて3年7か月。
最近、あちこちメンテナンスが必要になってきた。
去年は風呂のシャワーが漏れるようになった。業者に依頼することなく、義弟や兄に相談しながら私が四苦八苦して何とか直した。
洗面台もパッキンが切れ、蛇口周りから漏れていた。これは特殊なパッキンだったので5、6千円かけて業者に依頼した。パッキンだけ頼めば数百円で済んだのだけれど。
トイレの蛇口も台所の蛇口も水漏れし、ホームセンターで水道用コマという補修用のパーツを買い交換した。
そのぐらいなら私でも何とかできる。
数日前からトイレの奥の方の床が濡れている。どこかから漏れているに違いないとよく見ると、タンクに接続する配管の辺りから漏れているようだ。
そして昨夜、夜中にトイレの蛇口で尿器を洗浄しようとしたところ「パタン」という音がして水が出なくなってしまった。便器も風呂も台所も大丈夫なのに、そこだけ1滴も水が出ないのだ。
「これは業者に依頼しないとダメだろうか・・・」と思いながら、義弟に相談してみた。
義弟は「まず僕が見に行くから」と言ってくれた。だけど、夫がデイケアに出かけた後、水道の元栓を閉め、蛇口を外してみた。すると、蛇口自体が悪かったのではなく、蛇口に付けた接続部品(蛇口とホースを接続するもの)のせいだと分かった。
その部品は去年変えたばかりなのだけど。
タンク部分の水漏れは1滴、2滴と時々落ちる程度。だから、まだそのままにしてある。だけど、ネジ部分のシールテープを巻きなおせば直りそうな気がする。
明日にでもまた水道の元栓を止めて、配管ネジを外してみようと思っている。それでもだめなら業者に依頼するとして。
業者に頼むと、見積もりは無料でも出張費はかかる。修理を頼めばすぐに1万円札は飛んで行ってしまう。
「お願いだから、もうこれ以上壊れないで!!」と祈るような気持ちでいっぱいだ。
時間もないけれど、収入はなく、メンテナンスにお金がかけられないのだから・・・