ものすごくきれい好きというわけではないけれど、あちこち汚くなってくるとイライラしてくる。
それでも離れはたまにしか入らないので目を瞑ることができる。
母屋は訪問リハビリの日には大雑把ではあるけれど必ず掃除をしているし、夫が家にいる時でも片付けはできるのでまだいい。
問題は庭なのだ。
暖かくなると、ものすごい勢いで草が生えてくる。そして一雨ごとに成長するのだ。
「この間草取りしたばかりなのに・・・」と思っても、あっという間に緑の絨毯のようになってしまう。
一昨日、昨日と雨が降り続き、地面が湿っている今日はまさに草取り日和だった。
で、私は夫がデイケアに出かけてすぐに草取りを始めた。
何回も書くけれど、夫も元職場の同僚S子ちゃんも「草取りは無心になれるから好きだ」と言っていた。だけど、私はいつだって無心になんかなれないのだ。
「この間取ったばっかりなのになんでこんなに生えるんだ!!」と、腹を立てても仕方がないことに腹を立てたり・・・
野菜と少しばかりの花や木を植えるスペースを残して周りをコンクリートで固めたい」と思ったり。そうすれば夫が車いすで庭を楽しむことができるのに・・・と。
とにかく頭の中ではいろんなことを考えながら草を取っている。
今日は長男の第二子が2歳の誕生日を迎えた。
3月末に横浜で顔を見たばかりだけれど、元気にしているだろうか、大きくなっただろうかと、その姿を思い描いていた。
先週、期日指定郵便でバースデーカードと少しばかりのお祝いを郵送した。
もう着いただろうか、午後からだろうか。
期待しているわけではないけれど、何か言ってくるだろうか・・・
そんなことを考えながら草を取っていたら、もう11時30分になっていた。
ほとほと嫌気が差してきたところ、見計らったように兄が来てくれた。
それでやっと区切りをつけることができ、いったん休憩に入った。
午前中、2時間半の成果は45㍑のビニール袋に一袋と半分だった。
「もうしたくない・・・」と思っても、今日は草取りの日。
もう少し頑張らなくては庭を見るたびイライラが募ってくるに違いない。
そう思って、夫がデイケアから帰宅予定の1時間半前から、再度草取りを始めた。
二つ目のビニール袋が一杯になった頃、今度はT子さんが来てくれた。
以前も書いたけれど、T子さんは洋裁が得意。
それで、私が10年以上前に買ったけれど作ることもなくタンスの肥やしになっていた洋服生地3着分をだいぶ前に貰ってもらったのだ。
そうしたら、その中の生地で、お尻がすっぽり被る丈のブラウスを私に作ってくれたのだ。
そんなつもりで生地をあげたわけではないけれど、T子さんは「頭の体操のつもりで作ったから・・・」と 言い、持って来てくれたのだ。
着てみたらぴったり。
何だか草取りのごほうびをもらったみたいでうれしくなってきた。
夜になって、今度は孫のママからメールが届いた。
お祝いのお礼と、孫たちがバースデーカードのケーキのろうそくを吹き消すまねをして「おめでとうごっこ」をして遊んでいると、写真付きのメールだった。そして、お盆には帰省すると書いてあった。
「これも草取りのごほうびかも知れない」そう思うと、頑張った甲斐があったという気がして、ますます嬉しくなってきた。
で、関係ないことでもこんなふうに考えられるのは、ひょっとしたら私の特技かも知れないなあ・・・なんて、思ったりしている。