えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

誕生日を祝う

勤めていた頃、30代のスタッフから「週末の夜はいつも家族で外食している」と聞いた。週末以外にも外食することがあり、休みの日にはランチにも行くという。そのスタッフはご主人と4歳と2歳の男の子の4人家族だった。

私がその話を聞いて驚いていると、何人かのスタッフが「我家もそうよ」と言ったのだ。

当時、我家ではほとんど外食することがなかった。だから、私はますます驚いてしまった。みんなそんなに外食しているのかと。

だけど、考えてみれば、地元でも新しい飲食店はどんどん増え、どこもが繁盛していたのだから、そういう家族がいても何ら不思議なことではなかったのだろう。むしろ、外食する家族の方が多かったのかも知れない。テレビや雑誌でも外食産業が市場を拡大し利益を上げているというニュースや、外食するために長い行列に並び、長い時間待ってまでも入店する映像を見ていたのだから。

だけど、ほとんど外食することがなかった我家には無縁のことだった。だから、しょっちゅう外食するということに驚いてしまったのだ。

 

我家では、子どもが小さかった時には、よそ様に迷惑をかけてはいけないと思い、外食することはなかった。小学生になると、今度は子どもたち自身が食事のためにわざわざ外出することを嫌った。で、必然的に食事は家で摂ることになったのだ。

だから、結婚して38年ぐらいになるけれど、外で夕食を摂ったのは数えられるぐらいしかない。勤めていた頃には忘年会や歓送迎会には出席したけれど、勤めていた頃にもそれだけだった。

 

それでも子どもが独立してからは、私が休みの日には時々ランチに行くようになった。相変わらず、夕食を外で摂ることはなかったけれど。それは二人とも夜は家でビールを飲みながらゆっくり過ごしたいと思っていたこともあるのだけれど。

 

ランチに行くといってもおしゃれなレストランなどではなく、ほとんどがうどん屋さんかラーメン屋さん。たまに定食屋さんぐらいだった。だけど、お互いの誕生日や結婚記念日にはちょっと豪華におすし屋さんのランチだった。

 

今日は夫の誕生日だ。

夫が倒れる前だったら、絶対におすし屋さんで誕生祝だ。以前行っていたおすし屋さんからは誕生日の1か月前になるとハガキが届く。そして、それを持って行くと誕生日の人にはロウソクを立てたケーキのサービスがある。その上、料金は1割引きで次回使える1000円券ももらえるのだ。だけど、そこのお店はいつも満席で障害者用の駐車場も多目的トイレもない。だから、土曜日に行くのはちょっとキツイのだ。

それで、数日前から「障害者用の駐車場も多目的トイレもあるおすし屋さんに行こう」と、誘っていた。夫も私もホントは以前行っていたおすし屋さんの方が好きなのだけれど。

 

今日は午前中と夕方からは雨の予報だった。11時20分から12時までは訪問リハビリもある。その時の状況によっては行けないかもしれない。もしも行けなければ、その時はおいしいお寿司を注文するか、お赤飯を炊くかして、家でお祝いしようと考えていた。不自由にはなったけれど「ここまで生きてこられたことに感謝しなくては・・・」と思って。

だけど、運がいいことに雨は降らなかった。

それで、今日は久しぶりにおすし屋さんに行き、二人だけの誕生会をした。といっても、お酒もなければプレゼントもなく、普通にランチを食べただけなのだけれど。

それでも、私的にはそれなりに楽しい誕生会だったと思っている。

だけど、夫はどうだったのだろう。夫も喜んでくれたのならば私としてはとってもうれしいのだけれど・・・