だいぶ前のこと。テレビで「2000坪の土地を一人で開墾し、何年もかかって皆が集まれるような公園を作った」みたいな番組を観た。
この間会った友人は庭仕事が好きだと言い、何年がかりで作ったという庭を見せてくれた。何とかガーデンとか言っていたけれど、私は知らない言葉だった。でも、洋風の庭というか、何か所かに分かれた花壇がいくつかあり、それぞれがレンガや石や仕切りを使い、ステキにまとめてあった。他に畑の部分もあり、野菜作りも楽しんでいた。
我家はというと、義母が元気だったころの庭仕事は義母の楽しみ。義母ができなくなってからは夫の楽しみだった。その頃はよかったのだけれど、夫が倒れ、手入れができなくなってからというもの、もう手が付けられないほど酷い状態になってしまった。
そんな庭を「何とかしたい」と思い始め、最近では夫がデイケアの日には少しづつ庭仕事をするようにしている。実際には草取りに追われ、先に進めずにいるのだけれど。
どんな風にしたいのかは頭の中にある。
我家は50年も前、区画整理の前に家を建てた。そのせいで、敷地に対し家屋の配置が悪い。庭も離れの前、母屋の前、母屋と離れの間、離れの東側、母屋と離れの北側、裏口のアプローチ部分とあちこちに分散している。
私はそこを歩いて廻ることができるのだけれど、車いすの夫は段差があったり砂利交じりの通路だったりするものだから、花が咲いても見に行くことができない。それで、車いすでも庭の花を見て回れるようにしたいと思っているのだ。ただ、段差や石交じりの土地に手こずり、思うように作業が進まないでいる。
テレビや友人の話を聞いていたら、私も力が湧いてきた。すでに少しづつではあるけれど進めているのだから、めげずに続けていればできるのだと。
この間ホームセンターに行った時、メダカと一緒に朝顔の苗を買ってきた。それをここに植えたいと思って。(通路の向こう側の土の部分。1.5畳ぐらいのスペース)
我家の表玄関は南側。だけど、そこには10段ぐらいの階段がある。
で、車いすの夫は西側の裏口の方から出入りをしている。玄関を出て、縁側のまえを通り、この通路に出る。そして車庫の横を通って道路に出る。(左端に写っているのが母屋で、グレーの建物が車庫)
朝顔をそこに植えようと思ったのは、そこなら夫が外に出るたびに見ることができるからだ。
この通路は夫が倒れる前は石交じりの土だった。車いすで通るのはとても大変だったので夫が退院する前に左官さんにコンクリートで固めてもらった。ところがその時、左官さんが両脇に砕石を撒いてしまった。
その上、朝顔を植えようと思っているところには以前、芒が1株とアロエが植えてあった。はじめは1株だった芒は土の部分いっぱいにはびこり、大変な状態になってしまった。夫が車いすで通る時、葉っぱが体にあたるし、切っても切ってもすぐに伸びてしまうしで。
それを長いことかかって扱いだのだ。芒の地下茎は深く、強く、とても大変だったけれど、根性ですべて扱いだ。でも、土の部分には石や砕石が混じり、土は通路よりかなり(この写真の倍ぐらい)盛り上がっていた。で、それが通路に流れてしまうのだ。
それも、何日もかけてほぼ平らに整地した。土を篩にかけては土と石と残った根っこに分ける。土は畑に、石は物置の裏に、根っこはゴミ袋にと分ける作業は思った以上に大変だった。
それでやっと朝顔を植えることができた。これで外に出る楽しみも増えた。
でも、竹をもう一本横に渡すか網を張らないと蔓が巻かないかしらね。
まずは一か所完成だ。
朝顔が終わったら他のものを植え、この状態を維持するように頑張ろう。
プランターを置いても良いだろう。地植えをするならビオラや日日草ぐらいの大きさの花がいいかしら。畑(通路を挟んだ反対側)に植えてあるネギはここでもいいかも・・・
何だか楽しみが広がってきた。ゆっくりでも、少しづつでも、続けていれば必ずできるのだ。さあ次はどこをきれいにしましょうか・・