えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

病院受診と新しい主治医

木曜日、夫の3か月に1度の脳外科受診だった。

予約時間はいつも10時30分。その日は10時10分に病院に着いた。

手続きを済ませ、車いすのまま計測できる体重計で体重測定をし、脳外科の前で順番を待った。公立病院では待ち時間が長いと言われているけれど、夫の主治医は診察が早いのか、いつもそんなに待つことはない。ほぼ予約時間には呼ばれ、1、2分で診察は終わる。診察が終わると会計や院外処方箋の手続き済ませ、レストランでコーヒーを飲んで帰る、というのが私たちの病院受診時のお決まりのコースだ。

 

ところが、診察の表示板を見ると9時から9時30分の予約者の診察中になっていた。珍しいことだと思いながら表示板をよく見ると主治医の名前が違っていた。

公立病院の若手や中堅の医師は2、3年で変わる場合が多い。今までの主治医はもう5年ぐらいになり、そろそろ変わるのではないかと思っていたところだった。前回の受診が4月だったのでその時にはまだ退職(移動)は決まっていなかったのかもしれない。

 

夫の手術をしてくれたT医師は夫がリハビリ病院を退院して戻るともう居なかった。

次の主治医はK医師。当時は月に1度の割合でけいれん発作を起こしていたので受診も月1回。なかなか薬でコントロールができず苦労された。でも、11か月後には内服薬が合ったのか、その後はけいれん発作を起こすことはなくなった。そして、その1か月後(主治医になって1年後)にK医師は移動になった。

 

次に主治医になったのはI医師。K医師の時には1時間近く待つこともあったけれど、I医師になってからは早い、早い。30分以上待つことはほとんどなかった。かといって「こんなものか」と思うことはあったけれど、大きな不満もなかった。まあ、「変わりありませんか」「はい」の一言で片づけず、こちらサイドから夫の状態報告をきちんとするようにしていたから。

 

夫の予約時間は10時30分。診察表示板では10時30分から11時ということになる。これなら1時間ぐらいは待つだろうと覚悟し、今度の医師はどんな人だろうと少し心配しながら待っていた。すると「1時間ほど遅れています」と表示だ出た。もう6年ぐらい通っているけれど、こんな表示が出たのは初めてだった。それならと、診察が終わってからレストランへ行く予定だったけれど先にコーヒーを飲みに行き時間をつぶすことにした。

 

予約時間の50分後、待合室前に戻ると、すでに呼ばれた後のようで、通常は表示板に受付番号が表示されるだけなのだけれど、看護師が夫の名前を呼んでいた。私が返事をすると「お待たせしてすみません。次にお呼びしますからね」と言われた。確認すると、もう何度も呼ばれていたという。

 

しまったという思いで待っていると程なくして呼ばれた。

診察室に入ると、今度の主治医は待たせたことを詫びる言葉と自分の名前を名乗った。こちらも不在にしたことを詫び、挨拶をし、診察が始まった。

 そして、前医師からのサマリーがあったのだろうけれど、今までの経過を確認し、麻痺の状態や失語症についても確認。そして、前回行った血液検査の時期も確認し、次回採血の指示が出て、数分で診察は終了した。

 

たった数分のことなのでまだどんな医師なのかは分からないけれど、私たちの顔をしっかり見ながらの診察、今まで聞かれたことがないような麻痺や失語症の程度まで確認されたこと等などを考えるときっときちんとした医師なのだろうと思う。反対に私たちはというと、待てずにどこかに行ってしまうようないやな患者だった。患者が医師や看護師などを観察するように、医師だって患者や家族を観察しているはず。そんなことは承知していたのだから待っていればよかったとちょっと悔やまれた。決して医師からも看護師からも何かを言われたわけではないけれど、不在にしたことで何度も手間をかけたことには変わりがないのだから。

私も外来経験がある元医療職。過ぎたことは仕方がないけれど、これからはトイレに行くときには事務の人に伝え、それ以外は呼ばれるまで待っていることにする。不在だと困るのは分かっているし、新しい主治医とも信頼関係を築きたいと思うから。