毎年書いているような気がするけれど、10月には私の大好きな似顔絵イラストレーターの内藤勲さんの「似顔絵ッセイ展」が 蒲郡図書館の1階展示室で開催される。今年でもう23回目だ。
毎年12月末、新しいカレンダーを掛ける前に家族の誕生日や命日など絶対に忘れないようにとカレンダーに書いておく。その時、内藤さんの展覧会予定も書き込んでおくほどのファンなのだ。
内藤さんの似顔絵は地元のここにこ会館というところでも毎月テーマを変えて常設展示している。他にも喫茶店のギャラリーで展覧会を開催したりするけれど、似顔絵にエッセイが添えられているのはこの蒲郡図書館での展覧会だけだった。(2年まえから隣の豊川市にあるギャラリー喫茶で旧作の展覧会を年に一度開催するようになった)
内藤さんの似顔絵はとってもやさしい笑顔ばかり。だからエッセイがなくても好きなのだけれど、似顔絵に添えられたエッセイがまたいいのだ。だからとにかく大好きなのだ。
その展覧会が今年は1日から15日まで。例年、夫と見に行っていたのだけれど、最近の夫はあまり外出したがらなくなり、今年は行かないと言う。夫が行かないのなら夫がデイケアに出かけている間に行くことになる。図書館は月曜日が休みだから水曜日か木曜日。そのうち11日はふれあい音楽会だから行けない。私としてはできれば木曜日は遠出はしたくない。まあ、蒲郡図書館までは我家からだと車で1時間ぐらいの距離なのだけれど。
そんなわけで、やる気のスイッチがどうにも入らなかった4日の水曜日、力を振り絞って行ってきた。そんな日に行くことないかと思いながらも、その日を逃すと行けなくなるような気がしたから。
写真では読みにくいけれど、今年は以下の16点。
渡辺貞夫、マルク・シャガール、ポール・デルヴォー、星野源、東山魁夷、アルフォンス・ミュシャ、本川達夫、安野光雅、斎藤茂太、鎌田實、五木寛之、伊福部昭、武満徹、★イモトアヤコ、★西野カナ、★ショーン・ペン(★印の3人は昨年の展覧会来場者からのリクエスト)
毎年、ミュージシャンあり、画家あり、俳優あり、小説家、生物学者、医師・・・と、多分野で活躍されている方々の似顔絵ッセイで内藤さんの幅広い知識に感心してしまう。
だけど、今年はのっけから内藤さん自身がかなり落ち込んだという話。その日、やる気のスイッチが入らなかっただけでなく、私も訳もなく落ち込んでいたところだった。
そして、斎藤茂太さん、鎌田實さん、五木寛之さんの似顔絵ッセイがあり、読んだ本へとつながっていく。その3人の本は私も読んだ。当たり前のことばかりなのだけれどやっぱりそうなんだよなと思いながら自分の気持ちをコントロールしていく。内藤さんのエッセイを読み終えると私ももう一度読んでみようかと思い始めた。
内藤さんは以前、私が「エッセイがあるといい」と行った時、「その人への強い思いがないと書けないんだよね」と言われたけれど、今回はリクエストにも答えた作品が3点あった。リクエストをもらった後、エッセイを書くにあたり、内藤さんがそれまで知っている部分だけでなく、おそらく自分の中に潜在していた部分を掘り起こしたり、新たに観察したり、調べたりしたのだと思う。その人のいいところ、すばらしいところが引き出してある。もちろん笑顔だ。さすが、内藤さんだとますます好きになる。
片道1時間のドライブはちょっと疲れた。気分が沈んでいなければ友人を誘っていたかもしれないけれど、とてもそんな気にもなれず一人で出かけた。だから余計に疲れたのかもしれない。それでも似顔絵を見て、エッセイを読んでいる間だけは温かい気持ちになれたのだからやっぱり内藤さんはすごい人だと思う。