木曜日の朝日新聞「東海歌壇」にこんな歌が載っていた。
介護士に愛されるよう身綺麗に夫整えて今朝も見送る
投稿したのは日進市の女性だ。
お年までは分からないけれど、おそらくご主人がデイサービスに行かれているのだろう。
私も夫を似たような思いでデイケアに送り出しているいる。私の場合は「介護士に愛されるよう・・・」ではなく「嫌われないように」なのだけれど。だから、この歌はとても心に響いてきた。
夫は倒れる前、出かける時には必ず自分でズボンやシャツにアイロンをかけ、着替えてから出かけていた。病院へ行くときには下着まで着替えていた。決して上等なものを身に着けたいわけではなく、洗濯してきれいなもの、しわしわでないものを身に着けたい。そうでないと恥ずかしいと思っていたからだ。
今はそうしたくても自分ではできない。だから、せめてデイケアに行くときには洗濯したばかりの下着とズボンとシャツを着てもらうようにしている。そして、デイケアでお風呂に入るときには朝着替えたばかりでも着替えを持っていく。
夫は自宅でお風呂に入れない。だから、デイケアでお風呂に入れてもらっている。だからといって家で何もしないわけではなく、デイケアに行かない日には全身清拭をしている。入浴時には洗髪もしてくれていると思うけれど、1週間に1度は家でも洗髪をするようにしている。足の爪、手の爪、耳掃除、鼻毛のチェックなど等、極力きれいにしてあげたいと思う。フケが出ないように、加齢臭がしないように、爪に垢が溜まっていないように・・・と。
そして、着替えを入れていく袋は毎回洗濯し、歯ブラシは帰宅したら洗い直し、乾燥させ、歯ブラシ、ハンドタオル、歯磨きを入れる袋は毎週洗濯し、きれいな状態で持たせている。
元気だった時には何もやってあげなかった。それどころか、私の方がやってもらうばかりだった。だから余計に、自分でできなくなった今は、私ができるだけきれいにしてあげなくては思っている。
介護士さんに愛されるよう・・・
介護士さんに嫌われないよう・・・
何日も同じリハビリパンツを穿いてくる人がいる。とか、着替えや歯磨き用具を薄汚れた袋に入れてくる人がいる。等など、職員からではなく、他の人から聞いたことがある。
夫が「汚くて触れたくもない」なんて思われたらかわいそうだ。だからというわけではないけれど、常に身綺麗にしてあげたいと思う。
今日も洗髪をした。
そして歌のように、明日も身綺麗に夫を整えてデイケアに送り出そうと思う。