正月に帰省していた小学4年生の孫は自分でト音記号を刺繍したというレッスンバッグを持っていた。
私は昨年末に手帳を購入し、それに刺し子か刺繍をしてカバーを作りたいと思いながらも布だけ選んでそのままになっていた。それで、「ばあちゃんにもト音記号を刺繍してくれない?」と言ってしまった。孫は「いいよ」と即答してくれたのだけれど、その日はもう帰る前日だった。しかもその日は朝から夕方まで彼女はひとり母方のおばあちゃんのところに行くことになっていた。で、刺繍をすることなく帰って行った。
先日、その孫から封書が届いた。中にはト音記号を刺繍したブックカバーとコースターとストラップが入っていて手紙が添えられていた。
手紙にはト音記号を刺繍してあげられなかったからブックカバーを作ったこと。コースターとストラップも作ったこと。夏も冬も泊めてくれてありがとう。と書いてあり、周りにはト音記号や音符や譜面の絵が楽しそうに描いてあった。4年生が作った作品だから人から見れば完成度はまだまだなのかもしれないけれど、私は孫が私のために一針一針思いを込めて刺してくれたと思うと胸がいっぱいになりすごくうれしかった。
私は手帳を購入後、何週間も手帳に布を被せ、待ち針を打った状態で放ってあった。
前面右下の白い円のところにト音記号を、
裏面右下の白い円のところにデザインしたイニシャルの「M」を刺繍しようと思いながら。でも、進まなかった。
手帳にト音記号は関係ないけど、何だかト音記号とか音符とかは楽しそうだからね。
この間の月曜日、その孫の誕生日だった。
お祝いはいつも正月にお年玉と一緒に渡している。で、誕生日には日にち指定でバースデーカードを送っている。今年は日にち指定にはしなかったので、ちょっと早めの12日に届くように送った。その中にブックカバーやコースター、ストラップのお礼の手紙も入れて。ばあちゃんがすごくうれしかった気持ち、届いたかな。