えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

日の目を見たレコード

何十年も前、働き始めて初めての夏のボーナスで念願のステレオを買った。

高校時代からのあこがれのステレオだ。買えるようになるまで5年ぐらいかかったことになる。 

当時はまだCDなどなく、レコードの時代だった。ステレオはキャビネットタイプで1畳近く場所を取るものだったので部屋が狭くなったけれどうれしくてうれしくて少しづつレコードを買った。

そして、それらは結婚するときにすべて持ってきた。

 

子どもたちが保育園だったころ、童謡や子ども向けテレビ番組で出していたレコードを何枚か購入し、擦り切れるほどに聴かせた。

だけど、長男が小学校に上がるすこし前、近くに住む両親の敷地内に引っ越すことになり、場所を取るステレオは処分することにした。(夫の実家にも夫が同時期に購入した同じタイプのステレオがあったということもあり)

 

当時はカセットが出始めたころで、ラジカセを買い、音楽はラジオから録音して聴くようになった。しばらくしてCDが出始めたので今度はCDを買ったり、レンタルしてCDからCDへ、あるいはCDからカセットテープに録音して聴くようになった。それで、場所を取る夫のステレオも処分してしまった。

だけど、レコード盤だけは聴くことができなくなったのに処分できずにしまっておいた。

 

あれから35年。その間に、何度もレコードプレーヤーを買おうかと悩んだ。だけど、その度に「いや待て」と考え直し、買わずにきた。

 

1週間ほど前、何を思ったのか、長男から「レコードプレーヤーを買おうと思っているんだけれど、昔のレコードはまだあるの?」と、メールが届いた。で、もちろんまだあること、どんなレコードがあるのかということ等など、詳しく書いて返信した。

 

数日後、今度は「プレーヤーが届いたからレコードを送ってくれる」と、2年生の下の孫から電話があった。それで直ぐに手持ちのレコードの中から息子たちが保育園のころ聴かせていた童謡やおかあさんといっしょのレコード、ひらけポンキッキのレコード、合唱のレコード、夫や私が若いころに聴いていたレコードを選び、15枚ぐらい 送った。

 

そして、着いた日の夜、息子から「すごく良かったよ」と興奮気味に感じられる言葉を添えてメールがあった。孫たちも大喜びしているらしいことに私もうれしくなった。

処分しないでおいてよかった。送った甲斐があった。

それより古いレコードが日の目を見たことが何よりもうれしかった。そのうち、そのレコードをCDかUSBに録音して送ってくれるという。

ステレオを買ったばかりの頃のこと、子どもたちと聴きまくっていたころのことが懐かしく思い出される。

レコードはまだまだ残っている。今度はリストを作って息子のところに 送ってみようと思っている。