えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

思いがけない出会いで

今日は弟の命日だ。

この世からあっという間にいなくなってもう4年が経った。同じ県内とはいえ離れた市に住んでいたこともあり、時々は電話で話すことはあったけれど、もう何年も会っていなかった。だから、今でもいなくなったという気がしなくて電話がかかってくるんじゃないかと思うことがある。

とはいえ、今日は命日には違いない。

弟は私がお参りに行けるところにはいない。なので毎年、両親のお墓参りに行き、弟のことを話してくる。あの世があると信じているわけではないけれど、あの世で両親に会っていると思いたい。だから、命日が近づくと、実家のお墓参りに行くようにしている。

今年は水曜日に行こうと思っていた。ところがいつもお花を買いに行くJAのお店がお休みだと気が付き、木曜日に行ってきた。

 

なので、水曜日は予定変更し、喫茶店のギャラリーで開催中の布クラフト展を見に行った。

その喫茶店は入ってすぐは喫茶スペース、奥にギャラリースペースの部屋があり、そこには6人が座れる大きなテーブルが一つと、二人用のテーブルが2つある。私はギャラリースペースの2人用のテーブル席がお気に入りで、いつもその席に座る。その日は残念ながら奥の席は空いていなかったので作品が見えない席に座った。

飲み物を注文し、作品を見に行くと、私のお気に入りの席に座っていた女性から「お姉さん」と声をかけられた。「えっ」と、声の方を振り向くと、そこに座っていたのは弟の友人(後輩)の奥さんだった。彼女はお一人だったのでテーブルをご一緒させていただいた。

いろんな話をした後、彼女が弟のことを聞いてきた。亡くなったことを友人から聞いたらしく本当かどうかもわからなかったみたいだ。

事情があって、弟が亡くなったことは誰にも話していない。元妻と甥だけは違うルートから知ることになり、そちらから聞いたのだと思う。

別に話してはいけない事ではないし、話す必要もないから話さなかっただけのこと。

聞かれるままに事情を話し、彼女からは昔懐かしい私の知らなかった話まで聞くことができた。

布クラフト展はとても刺激になってよかったけれど、それ以上にお墓参りを延期して行った喫茶店で思いがけない人と出会い、兄とぐらいしか話すことがない弟の話ができて何だかちょっとうれしかった。