えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

やる気のスイッチ

夫が倒れて今年は12年目になる。

それまで、庭は草が気になるほどではなかったし、外の物置や離れや押し入れも手が付けられなくなるほど酷い状態になることはなかった。

義母はとてもきれい好きだったし、夫も自分の仕事場を始め、物置もきれいに整頓していた。

それなのに、夫が倒れてからというもの庭の草は気になって仕方がないし、物置や離れの2階は手が付けられないほどになってしまった。

庭は夫が倒れてから約1年間、何もしなかったことが原因だと思う。一旦草だらけにしてしまった庭はどれだけ頑張って草取りをしてもある程度はきれいになるものの元のようになることはない。

外の物置や離れの2階は、車いす生活になってしまった夫が母屋で生活できるようリフォームするために、まだ入院中に事務所にしていた2部屋分の荷物を一旦そちらに仮置きしたからだ。

仕事の資料やこれから先絶対に使うことがないと思われる法規や構造計算の本などは割と早く処分した。しかし、図面や書類などは5年間の保存期間を考え物置に置いた。図面はPCで書いていたけれど、模型を作るためにドラフター(製図台)は置いてあったし、A3サイズのプリンター、コピー機、机サイズの図面入れ、書類ケース等など嫌になるほどの荷物があった。私としてはかなり片づけたつもりだけれど、いまだにたくさんのものが残っている。まあ、外の物置は8畳ぐらい、離れの2階は次男が帰省した時に使う以外の13畳ぐらいは置いておけるから放っておくことができるのだけれど。

 

草取りや庭仕事は気になれば少しづつでもできる。だけど、いったん手が付けられないほどの状態になった片づけはそう簡単にはできない。こうしてごみ屋敷になっていくのだろうかと思いながらため息を吐くばかりで少しも進まない。毎年「今年こそは片づけよう」と思うのだけれど。

数年前、それでも自分が元気なうちにと必死で片づけていたら、帰省中の長男が「そんなに頑張らなくても(母さんが死んだら)僕が片づけてあげるから大丈夫だよ」と言った。その言葉を聞いたら何だか安心したというか、業者に頼めるだけのお金を残しておけばいいか、という気になり力が抜けた。

 

しばらく前まで午後になると座っているのも辛く寝てしまう日が多かった。

夫が家にいる日は同じ部屋で過ごす時間が多いのでYouTubeを見る機会が増えた。それまでは手芸と夏井いつきさんのチャンネルを見るぐらいだったけれど、今ではガーデニングや片づけのチャンネルも見るようになった。

そうしたら俄然やる気のスイッチが入った。

この間は外の物置のものを45㍑のごみ袋3袋分、壊すごみとして出し、書類類も少しづつシュレッダーにかけている。夫が家にいる日も夫の視界に入る窓の近くの草取りをしている。

庭は草取りだけでなく、レイズドベッドを作ろうか、ポタジェというか、野菜も花も植えようか、あそこはこうしてああして・・・と頭の中は忙しい。

片づけも、今のところやる気のスイッチは入ったままなので、今年中には全てを片付けようと思っている。

いつ切れてしまうかわからないようなやる気のスイッチだけれどなんとなく今度は前に進められそうな気がしている。