えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

4年ぶりに岩手のさんま

今朝のニュースで今日は「目黒のさんま祭り」だと言っていた。

私は一度も行ったことはないけれど、もう19回目だそうだ。毎年、備長炭で焼く脂がのったさんまを振舞われている人たちをテレビ画面で見ると「あ~おいしそう! 私も食べたい!!」と思うのだ。

 

ネットの記事によると、さんま祭りではお客さんに一番鮮度の良いさんまを食べていただくために、南下するさんまが9月中旬で最も脂がのっておいしい岩手県宮古産を築地で仕入れていたそうだ。

3回目の「さんま祭り」の新聞記事を読んだ宮古市から「なぜ、そちらでは毎年宮古のさんまを使っているのですか?」と問い合わせがあり、上記の理由を話したところ、それを知った宮古市が感動し、4回目よりさんまを無料で提供してくれることになったそうだ。そして今年は6000匹のさんまが提供されると。

他にもすだちや備長炭や大根おろしがそれぞれの産地から提供されるようになり、人の輪も広がっているという。

 

宮古の脂がのったさんまを和歌山県みなべ町備長炭で最高の焼き加減に焼き、日本一の産地である徳島県神山町の芳醇すだちを絞り、栃木県那須塩原の大根おろしでいただくさんまの味は想像しただけでよだれが垂れそうだ。

 

夫は倒れる前、魚の中でもさんまは好きな方だった。特に焼いたさんまは大好物でこの時期にはよく食卓に上ったものだ。

だけど、倒れてからは味覚障害もあるようで、食べものの好みも変わってきた。だから言葉が話せない夫は以前と変わらないほど好きなのかどうか分からない。それに左手では上手く箸が使えないので、骨のある魚は私がきれいに取ってからでないと出せなくなってしまった。だから倒れてからというもの我家ではさんまが食卓に上ることはなくなったのだ。

 

この間、兄が発泡スチロールの箱を抱えて我家にやってきた。そして「ほい。これあげる」と私にその箱を差し出した。

見ると、銀色に光ったものすごくきれいな目をした岩手県宮古産の新鮮さんまが6匹も入っていた。

 

さんまは宮城県にある兄嫁の実家から送ってきたという。ところがお盆に帰省しなかった兄嫁はさんまと入れ違いで実家に帰省しているのだ。で、兄一人では手におえず、ごそっと私のところに持って来たというわけだ。

 

我家にとっては4年ぶりのさんまだ。ありがたいけれど、せっかくのさんまだからと、一匹は兄に持ち帰って焼くように戻し、我家で5匹もらうことにした。

私が料理して食べてもらってもいいのだけれど、兄はお酒が飲みたい人だから、家で自分で焼いた方が良いのだ。

 

さてさて5匹のさんまをどうしましょう・・・

振り塩をして焼き、大根おろしを添えて食べるのが一番おいしそうだけど、夫の分も骨を取らなければならないと思うと3枚に下ろしたほうが楽だろうか。年寄り二人の生活ではすべてを1回で食べきれる量ではないし、どちらにしても半分以上は冷凍しておかなければならないし。そんなことを思い、迷った挙句に3枚に下ろすことにした。

で、下した片身を3等分に切り、小麦粉を薄く塗しフライパンで両面焼き、当日分だけ味付けをして食べた。そして残りは冷凍保存しておいた。

もちろん、お刺身で食べることができるほどの新鮮なさんまだからとってもおいしかった。だけど5匹とも3枚に下ろすより、やっぱり振り塩をして焼き、大根おろしを添えて食べた方がもっとおいしかったような気がしている。それに焼いて骨を取った方が却って楽だったのではないかと。

今日、目黒のさんま祭りのニュースを見ていたら焼いたさんまが無性に食べたくなり、そんなことを思ってしまった。

まあ、今更そんなことを言っても仕方がないことなんだけれど・・・