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えむこの雑記帳 ~ときどきひとり言~

これは、脳出血後たくさんの後遺症が残ってしまった夫とえむこの何気ない日常生活を書き留めたものです。

もしも願いが叶うなら・・・

だいぶ前に「もしも願いが叶うなら~・・・」なんていう曲がありましたね。

「一つだけ...もしも願いが叶うなら~・・・」なんていう曲も・・・

どちらも恋の歌だったと思うけれど、えむこは「もしも願いが叶うなら」夫の言葉を返してほしいと思います。

夫は脳出血の後遺症で重度の失語症です。夫が話せるのは「お」と「な」と「ん」だけ。だからどんな会話も「おんなんなんなん・・・」です。話す調子は違うけれど・・・

えむこは夫が言わんとすることがだいたい分かってきたと思っていました。でも、えむこが分かっていたのは「トイレに行きたい」「寝たい」「外に出たい」「おなかが空いた」「いい」「イヤ」ぐらいだったのかもしれません。だから、夫からすれば「全然わかってもらえない」と思っているかもしれません。

 

夫は昨夜、ベッドに入ってからえむこを何回も呼びました。そして、その度に何かを訴えるように「おんなんなんなん・・・」と言うのです。トイレではないと言うし、えむこには何が言いたいのかさっぱり分かりませんでした。考えられることはたぶん全て聞いたと思います。でも、夫はどれも首を横に振るだけ。最後は分かってもらえないことを怒るでもなく、悲しそうな顔をして諦めてしまいました。えむこも「分からなくてごめんね」と言いながら、何だか悲しい気持ちになりました。

言葉が話せないことは「分かってほしいのに分かってもらえない・分かってあげたいのに分からない」と、お互いが辛く悲しい思いを感じる時があるのです。

今日の午前中も、分かってあげられないことがありました。

それだけではなく、こんなことも・・・

えむこが洗濯物を干して家に入ると、夫はえむこを見て台所の入口でガスコンロの方を指さし「おー。おー。」と大きな声で叫びました。ガスコンロには卵焼き器が乗っていたけど特に変わったことはありません。それでも夫はガスコンロの方を指さし「おー。おー。」と大きな声を出し続けるのです。多分、ガスが点いていると思ったのでしょうね。

えむこは卵焼き器をどけて、ガスが点いてないことを見せ「なに言ってるの。ガスなんて点いてないよ・・・」と、怒り口調で夫を一喝してしまいました。

実はこれ、えむこが悪かったことで、夫はえむこに感謝されても怒られるようなことではなかったのです。後で分かったんだけどね。

その真相は・・・

えむこはえのき茶を作るためにキッチンタイマーをセットしていました。そんなことは忘れて洗濯物を干しに外に行き、その間にタイマーが鳴ったのです。タイマーが鳴ったのにえむこは外。心配した夫が自室から台所まで見に行くとガス台の上には卵焼き器が乗っていた。それで、ガスが点いていると思ったのです。ガスを止めようと思っても車いすではテーブルがあるので、ガス台のところまで行けません。それで、大声で知らせようとしたのです。

それなのに、えむこは夫に叱責。

真相が分かってから、えむこは「ごめんね。ホントにごめん」と何回も謝ったけど、夫は悲しそうに笑うだけ。言葉が話せないって辛いことですよね。心配して教えたのに怒られるんだから・・・

 

もしも願いが叶うなら・・・

ホントは元気だった頃のからだに戻して欲しいけれど、せめて言葉だけでも元通りにしてほしいと思うのです。